最近、Amazon Prime Videoを開いては、「昔見た映画」が無料で観られるかチェックするのが習慣になっています。新作映画にはそこまで惹かれず、どちらかというと1980年代〜2000年代の名作を見返すことにハマっています。
こういう映画鑑賞のスタイルになったのは、高校時代のある出来事がきっかけでした。
映画100本観ろ、というトンデモ自己啓発書
高校生の頃、自己啓発書を読むのがちょっとしたブームになっていました。当時は「脳内革命」とか、「成功するには〇〇せよ」みたいなエビデンスゼロの本が本屋に並んでいた時代。そんな中で、ある本に「映画を100本観ろ!」という一文を見つけました。
「なんだかよくわからないけど、映画を観れば自分が成長できるらしい」
今考えれば、ものすごくざっくりした理論ですが、当時の自分には妙に刺さったのです。
100本は無理でしたが、高校3年生の1年間でかなりの映画を観ました。ただ、映画に詳しいわけでもなく、何を観ればいいのかわからなかったので、ネットで「おすすめ映画」みたいに検索していたところ、素敵なサイトに出会いました。
「キネマの見地」という宝の山
出会ったのは、「キネマの見地」という映画レビューサイトでした。
個人が運営しているこのサイトには、厳選された映画ランキングと、愛のこもったレビューがぎっしり詰まっていました。プロモーションなんて一切なし。ただ、映画が好きな人が、自分の言葉で映画を語っている。そんな場所でした。
久しぶりにアクセスしてみたら、更新は2013年くらいで止まっていましたが、トップページは当時のまま。その変わらない佇まいに、思わず「おかえり」と言いたくなるほど、懐かしい気持ちになりました。
このサイトのランキングを頼りに、「ショーシャンクの空に」「時計じかけのオレンジ」「ユージュアル・サスペクツ」「メメント」「アマデウス」「シャイニング」など、名作を次々と観漁っていました。
そして今、当時観た映画をAmazon Primeで見返すと、また違った味わいがあることに気づきます。
「ショーシャンクの空に」と今の自分
中でも、「ショーシャンクの空に」は、観るたびに新しい発見がある映画です。
初めて観たときは、単純に「不屈の精神ってすごいな」と感動しました。でも、今観るとまた違うものが見えてきます。
主人公のアンディは、冤罪で刑務所に収監されながらも、希望を捨てずに20年間トンネルを掘り続け、ついに自由を手に入れます。そのシーンを今の自分に重ねてしまうのです。
税理士になるために働きながら簿記と財務諸表論を取った自分の道のりと、アンディの20年の掘削作業。もちろん比べるものではありませんが、「毎日少しずつでも積み重ねれば、いつか外に出られる」というメッセージは、自分の人生にも通じるものがあります。
特に、トンネルを抜け出したあと、雨の中で両手を広げるアンディの姿を見たとき、込み上げてくるものがありました。公務員としての安定を手放し、これから新たな人生に踏み出す今の自分。その解放感と、不安と、それでも希望を持ちたい気持ち。
アンディが夢見た青い海、メキシコのジワタネホに行ってみたくなりました。
昔観た映画を、また観てみる
高校時代に観た映画を、今になってもう一度観ると、当時とは違う視点で楽しめるのが面白いところです。昔はただの「かっこいい映画」だったものが、今観ると「人生の教訓」になったり、「なんだか身につまされる話」になっていたり。
そういえば、「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」はまだ観ていなかったな。近いうちに、また昔の映画を掘り返して観てみようと思います。
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