スマホ脳とゲーム脳

スマホ脳という言葉をよく耳にします。スマホ依存による集中力の低下や睡眠障害、コミュニケーション能力の低下など、まるで現代人の脳が溶けるかのごとき影響が指摘されています。一方で、かつて話題になったゲーム脳という言葉は、いつの間にか消えてしまったように感じます。

ゲーム脳は2000年代初頭に登場し、テレビゲームに没頭すると脳が委縮するだの、犯罪傾向が強まるだの、実に恐ろしい説がまことしやかに囁かれていました。しかし、その後の研究では科学的根拠が乏しいことが明らかになり、そんな話もあったねくらいの扱いになりました。

だが、ここでふと思います。なぜゲーム脳はそれほど大きな社会問題にならず、スマホ脳はこれほどまでに騒がれるのでしょうか?

スマホの普及率と依存度の違い

まず、スマホは老若男女ほぼ全員が使っています。一方で、ゲームをする人は限定的です。ゲームはある程度意識的に時間を作ってプレイするものですが、スマホは何かのついでに気づいたらいじってしまいます。

私も経験があります。何か調べものをするためにスマホを取り出したのに、気づけばX(旧Twitter)のタイムラインを無限スクロール。おいおい、今調べものしようとしていた自分はどこへ行ったのでしょうか。まさに意識が二度形成される瞬間です。

ゲームなら、「よし、今日は2時間やるぞ!」と決めてスイッチを入れますが、スマホは「ちょっとだけ」と思ったら最後、気づけば夜です。

ゲーム脳は実はそこまで悪影響がなかった?

ゲーム脳の話が流行っていた当時、私も小学生の頃は好きなだけゲームをしていました。しかし、中学に入り野球部に入ると、練習が忙しくてゲームをする暇がなくなりました。高校になるとゲーム以外にも楽しいことが増え、気づけば「適度に遊ぶ」習慣ができていました。

これを考えると、ゲームはどこかでやりすぎると飽きるし、やる時間を確保する必要があるため、無限にのめり込むのは難しいのではないかと思います。対してスマホは、電車の中でも、トイレの中でも、寝る前の布団の中でも使えてしまいます。これでは依存しない方が難しいです。

「ゲーム=悪」というイメージの変化

昔は「ゲームばかりやるとバカになる」と言われたものですが、最近はeスポーツの普及や、ゲームを活用した教育が進み、単なる娯楽以上の価値が認められるようになりました。

一方で、スマホについてはどうでしょうか。確かに便利ではあります。しかし、何も考えずに動画を垂れ流し、通知が来るたびに脳がソワソワし、何を見たか覚えていないまま時間だけが過ぎていきます。

スマホの設計が依存を助長する

ゲームは「クリアする」「満足する」というゴールがありますが、スマホは違います。SNSは無限スクロール、動画は自動再生、ニュースは「次の記事を読む」とシームレスに続きます。

要するに、ゲームは終わりが見えますが、スマホは終わりがありません。これが依存を生む最大の違いでしょう。

じゃあ、どうすればいいのか

スマホ脳に支配されないために、私はスクリーンタイムを設定しています。これが3時間以上にならないように、とはいえ3時間でも多い方なのですが。また、スマホを使う際は「何を調べるのか?」を紙に書いてから検索するようにしています(が、うっかりXを開くと計画は崩壊します)。

結局のところ、ゲーム脳は疑わしい理論でしたが、スマホ脳は現実的な問題として無視しづらいものだと感じます。自己管理が大切なのは確かだと思います。

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