東京都パワーリフティング選手権大会まで、残すところあとわずかとなりました。私は66kg級にエントリーしているため、当然ながら当日朝の検量に向けて「減量」という儀式をこなさねばなりません。
いまこの記事を書いている時点で、体重は67.70kg。今朝、起き抜けで測った数字です。
はい。現時点でオーバーしております。
でも焦っていません。なぜなら、私には「水抜き」という、知っている人からすれば割と常識的な手段、知らない人からすればちょっと頭がおかしく見える手法が残っているからです。
頭がおかしくなるほど飲んで、頭がおかしくなるほど抜く
水抜きといっても、いきなり断水するわけではありません。まずその前に「ウォーターローディング」という工程があります。
(前々回のブログ記事:初めてのウォーターローディング。頻尿と刃牙と私)
簡単に言えば、何日もかけて大量の水を飲み続けて体を“騙す”ことで、排尿のスイッチを入れておく、というテクニックです。
私の場合、ウォーターローディング期間は4日間。その間、毎日4〜6リットルの水を飲み続けました。そう、2リットルペットボトル2~3本です。毎日です。
ちなみにこれは「水を飲んでおけば体重が落ちる」みたいな、巷のゆるふわダイエットではありません。リアルに水をぶち込み、リアルにトイレに駆け込み続ける、硬派なイベントです。
もはや終盤には「水を飲む」というより、「自分に水を詰める」という感覚でした。脳のリソースの8割は次のトイレの心配に使われていた気がします。
水抜き開始。突然の乾き、止まらない震え
そして今日、ついに水抜き期間に入りました。これまでの6~7リットル生活から一転、1日500ml以内の水分しか口にできません。
するとどうなるか。まず、昼頃から頭痛が襲ってきます。寝不足のときに似た、あの鈍くてぼんやりとした痛みです。
これは明らかに、水不足によるものです。
しかも、普段飲んでいたコーヒーを我慢しているので、カフェインの禁断症状と相まって、軽く手が震えてきました。「これは私が自ら望んだ減量なのだ…」と自分に言い聞かせつつ、仕事に集中して過ごしていました。
ちなみに、こんなに水を我慢しているにも関わらず、お手洗いには全然行きたくなりません。尿が出ない。塩分を完全にカットできていないからかもしれません。ぼちぼち減らしてはいるものの、普段の半分程度は摂っています。
「水抜きって、排尿を利用して体重を減らすんじゃなかったのか…?」と自問しつつ、今もまだ体のどこかに水分が残っていることを信じて生きています。
身体の半分は水…ということを全力で実感中
水抜きを始めると、不思議と“身体の中の水”という存在を意識するようになります。普段は何気なく飲んでいた水ですが、こうやって制限されると、そのありがたみがよくわかります。
今の私は、寝不足のような状態です。ボーッとして、視界も少しだけ曇っているような感じ。特に印象的だったのが、ふとした瞬間に「あ、これが“水が抜けた状態”か」とわかる感覚があったことです。
例えるなら、肌の張りがなくなって、筋肉が薄皮一枚でパッケージされているような、そんな乾いた身体感覚です。筋トレ界隈では「水は最強の合法的ステロイド」とまで言われていますが、それをまさに身をもって体感しています。
ちなみに今の私の尿の色は、「限りなく透明に近いイエロー」という、某小説のタイトルのような状態から、現在は「ただの濃縮された何か」になってきました。色もそうですが、量が…もう、出ないんですよね。
初めての水抜きに挑戦するということ
今回の水抜きは、私にとって初挑戦です。これまでは、大会前にカーボを少し減らすとか、塩分を気にする程度の“減量ごっこ”で済ませてきました。
しかし、今回は違います。私の中では過去最高に真面目に向き合った減量です。初めてだからこそ、未知の反応に出くわすことも多いですし、自分の身体と丁寧に向き合う時間でもあります。
「人間って、やっぱり水でできてるんだなあ」と、しみじみ感じながら、明後日の朝には66.30kg、そして会場に向かう移動中に自然と汗や呼吸で0.3kg落として66.00kgジャストで計量をパスする、という青写真を描いています。
成功したら、誰かに報告せずにはいられないかもしれません。逆に失敗したら、何事もなかったかのようにおにぎりを食べている可能性もあります。
水抜きに挑戦している今日の自分を、記録として残しておくことで、後から見返したときに「ああ、よく頑張ったな」と思えるはずです。
…と自分に言い聞かせながら、そろそろ口の中が乾きすぎて文章の続きが書けなくなってきました。
ではまた。
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