うちの妻、簿財受けるってよ。

今年も税理士試験の公告が行われました。令和7年度の試験日は、8月5日(火)から8月7日(木)の3日間とのことです。受験経験者としては、この日付が発表されると、「いよいよ来たな…」という緊張感が一気によみがえってきます。

私は、令和3年度に財務諸表論、令和5年度に簿記論を取得して、職歴による税法3科目免除を経て、無事に税理士試験の免除決定通知を受け、ついに官報に名前が掲載されることとなりました。やったね。

ちなみに、簿記論を勉強した方なら分かると思いますが、あの科目、沼にハマりやすいです。解いても解いても終わりが見えず、気がつけば“最後の1科目が簿記論でした”という話をチラホラ耳にします。

そんな中、先日妻からこんな一言が飛び出しました。

「私も、税理士試験受けようかな」

……は?

「簿記論と財務諸表論を今年受けるつもり」

いやいやいやいや。
いきなり簿記論と財務諸表論!?厳しいって!

と、心の中のメンズコーチジョージが全力でツッコみました。

とはいえ、私の妻、別に簿記が初めてというわけではありません。結婚直後に簿記1級を取得し、公認会計士の短答式試験にも合格した経験があります(論文式の受験資格の有効期限が切れてしまったのが惜しいところですが…)。つまり、会計分野の基礎についてはバッチリ備わっているのです。

現在は外資系企業の経理として働いていますが、「このままずっとこの会社にいるかどうか分からないし、何か資格を持っておきたい」と話しており、その選択肢として税理士を思い浮かべたようです。たしかにその気持ち、痛いほど分かります。

話を聞いた私は、即座に“お受験ママ”モードに切り替わりました。
そうです、全力で応援しますとも。

私が受験した当時の知識、勉強法、使った教材、失敗談、心が折れかけた夜、講師の口癖まで……もう全部出し惜しみなく、妻に伝授する所存です。むしろ伝授したくてウズウズしています。

まずはメルカリで比較的新しい予備校のテキストと問題集を調達。新品だと結構な金額になりますが、中古ならかなりフレンドリーなお値段です。私は財表は中古のTACテキストを使って独学、簿記論は大原の通信講座で勉強しましたが、妻はTACの教材が合いそうということで、それを中心に進めています。

まだ多少のブランクや税理士試験特有の問題形式に戸惑いはあるようですが、分からない部分は一緒に考えたり、私の知識で補足したりと、夫婦二人三脚の学習体制がじわじわと出来上がってきました。

今年の受験予定科目は会計2科目ですが、いずれは税法1科目を受けて、残りの2科目は大学院修了で免除、というルートも視野に入れています。税理士試験には受験期限もありませんし、自分のペースで進められるのもこの資格の良さのひとつです。

そして、私の中には密かな夢が芽生えています。

「将来、夫婦で税理士事務所やったら面白いかもなぁ…」

私が前線でバリバリ動き、妻が後方支援……と思いきや、下手をすると妻のほうがクライアント受けもよく、私は帳簿の整理係に甘んじる未来すら見えています。実際、妻のほうが几帳面で説明も丁寧。税理士向いてるんじゃないか疑惑は拭えませんが、その点については、いったん気づかないふりをしておくことにしています。

とにもかくにも、人生の選択肢を自分で広げようとしている妻の姿は本当にかっこよくて、それを全力で支えたいと思わせてくれたことに感謝しています。

私自身も、今年7月に税務署を退職して、いよいよ税理士として独立予定です。
そしてその横で、仕訳と格闘している妻がいる。なんだか、ちょっと不思議で、でもとても頼もしい光景です。

試験本番まであと数ヶ月。
これからどんどん暑くなり、体力的にも精神的にも厳しい日が続くと思いますが、今しかないこの時間を、楽しみながら駆け抜けていきたいと思っています。

目指せ、夫婦税理士。
……というか、まずは簿記論と財表、ですね。

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