独立する前から実感している「人と会うこと」の大切さ

独立するなら、もっと人と会った方がいい。
最近、そんなことをよく考えます。

税理士として独立を控えている今、少しずつ「働き方」や「時間の使い方」、そして「人との関わり方」に対する意識が変わってきている自分に気づきました。

私が今いるのは、言うまでもなく国税の世界。国税職員としての仕事は、もちろん人と関わることもありますが、基本的には制度やルールによって動く世界です。人間関係がゼロというわけではありませんが、ある意味では、「制度やルールさえ守っていれば何とかなる環境とも言えます。

それが、独立となると様子が変わります。

ゲームチェンジというべきなのでしょうか。

「人脈」ではなく、「人と会うこと」

まず、個人的な好みとして「人脈」という言葉はあまり使いたくありません。「この人とつながっておけば、あとで得をするかも」という下心が透けて見えてしまうからです。
でも、「人と会うことが大切」という感覚は、ここ最近、強く実感するようになりました。

別に、やみくもに誰かに会えばいいという話ではありません。異業種交流会に参加する予定も今のところありませんし、独立直後の活動記録をネットで公開してくださっている先輩税理士の方々の中にも、「とりあえず参加した会は、結果的にはあまり意味がなかった」とおっしゃっている方も少なくありません。

むしろ私が大事だと思っているのは、「この人といると楽しい」と思えるような、直感的な心地よさです。
合理的に「この人とつながれば得をしそうだ」と判断して付き合うよりも、「なんかいいな」と感じる相手との関係の方が、結果的に長く続くし、精神的にも自然でいられます。

R氏との関係は「得」ではない

以前、「バーで隣に座っていた人」という記事を書いたことがあります。
参考記事:バーで隣に座っていた人

彼とは、メリットがあるから付き合っているわけではありません。単に、同年代の同性の友人として居心地が良かったからです。一緒に合コンを企画したり、銭湯に行ったり、彼がフィリピンに転勤になったときには、私はわざわざ遊びに行ったほどです。

そんな関係こそが、私にとっては自然で、かけがえのないつながりだと思っています。

ジムでも感じる、人とのつながり

また、私が通っているジムでも、年齢も職業もバラバラな人たちとの交流があり、それがとても面白いです。特に、現役の高校生や大学生と話す機会なんて、普通に暮らしていたらなかなかありません。彼らの恋バナや就活の話などを聞いていると、「時代は変わっているんだな」と実感することも多いです。

フィジークの大会に出場する若者を応援に行くこともあります。そこに特別な損得勘定はありません。「応援したら、後で仕事を紹介してくれるかも」などという発想は一切なく、ただ「面白そう」「楽しそう」という理由だけです。

むしろ、私から何かを与えられているかというと、正直微妙なところです。たまにご飯に連れて行って奢るくらいで、基本的には私の方がいろいろ吸収させてもらっている気がします。若干テイカー寄りのポジションになっていることに罪悪感を覚えつつも、交流そのものはとても楽しませてもらっています。

税理士の先輩からのLINE

先日、同じジムに通っている女性の税理士の方から、LINEが届きました。

「事務所のペーパーレス化でリングファイルが余ったんだけど、要る? 開業するって言ってたよね?」

なんともありがたいお声がけです。私としては「是非いただきたいです!」と即答し、今日ジムで受け取る予定になっています。

こういう、自然なやり取りの中で人と関わることが、何よりも心地よくてありがたいです。

独立後がちょっと楽しみになった

独立したら、きっともっといろいろな人と出会うのだと思います。正直なところ、独立というものは「一人で戦うイメージ」が強かったのですが、案外そうでもないのかもしれません。

どんな仕事であれ、「人と関わらずに完結する仕事」は今の時代、かなり限られています。税理士としてやっていくなら、やはり人と会い、人と話し、人の思いや考えを聞くことが必要になってくるのでしょう。

それを「営業」と呼ぶのか、「つながり」と呼ぶのかはさておき、私はそういう時間がけっこう好きなんだなと、最近になって気づきました。

幸福の資本論に思うこと

橘玲氏の著書『幸福の資本論』では、「人的資本」「社会資本」「金融資本」の3つが、幸福のための三本柱だとされています。

このうち「社会資本」というのは、人間関係や信頼関係、いわば「人とのつながり」を指しています。
つまり、誰と過ごすか、どんなコミュニティに属するかということですね。

税理士として独立するにあたって、当然「金融資本」や「人的資本」(お金そのものやお金を稼ぐ力)も大切です。ただ、意外と軽視されがちな「社会資本」こそが、人生をじわっと支えてくれる要素ではないかと思います。

おわりに

独立前にして、すでにいろんな人から小さなご縁や親切をいただいています。
それがうれしいのは、「得をした」からではなく、「誰かが自分のことを思い出してくれた」「気にかけてくれた」という事実そのものがうれしいからです。

これからもっと、いろんな人と出会い、いろんな人と関わることになると思います。
そしてきっと、そういう経験の一つひとつが、仕事の幅を広げ、自分の人生を少しずつ豊かにしてくれるのだろうと思います。

私自身は、いわゆる「陽キャ」ではありませんし、正直どちらかといえば一人でいるのが好きなタイプです。ですが、そんな私でも、人と会うことはやっぱり楽しいし、刺激的です。

独立したら、人と会うことがより大切となる――。
そんな実感を、少しずつ、現実のものとして味わい始めているところです。

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