という言葉を聞いたことがありますか?
おそらく、若手国税職員の中には耳にしたことがない人もいるでしょう。私が現役だった頃の国税の職場では、このフレーズは象徴的な言葉として語り継がれていました。(一説によれば、相撲界にも似たような言葉があるとか。どうやらどちらの文化も自然発生的にこの価値観を育ててしまったようです。)
振り出しの支店に着任して間もない頃、再任用の職員が事務室で飛んでいる蚊を素手で潰しながら、この言葉を呟いている場面を目撃しました。その瞬間、心の中で「就職先間違えちまったな…」とつぶやきました。もしかしたら声に出てたかもしれません。
要は、期がひとつ違うだけで、「お前は俺の足元にも及ばない」という価値観が浸透していたのです。
たとえば、名簿や飲み会の席次への異常なまでのこだわり。私が作成した飲み会の配席に違和感を覚えた上司からやり直しを命じられ、残業して配置を作り直すなんてこともありました。まるで昭和にタイムスリップしたかのような文化です。
若手の虫ケラ時代
40代以上の先輩たちは「俺たちの時代はこうだった」と武勇伝を語りたがりますが、その裏で、自己研鑽を怠っているように見えることも少なくありませんでした。若手が改定後の事務処理手順を説明しても、「いや、俺はこうやってきたから」と一蹴されている場面も見てきました。シンプルに事務処理誤りですね。
そんな時代錯誤な上司の背中を見て、若手同士で飲み会を開いては、「あの人、無能だよね」と酒の肴にしていたのも事実です。すみません。
期別至上主義
正直、この年功序列と期別至上主義には違和感しかありませんでした。経験年数にはもちろん価値がありますが、それだけを基準に人を評価するのは、時代錯誤甚だしい。
「期別が偉い」という考えに従うと、先輩は常に「偉い存在」でいられます。一見、楽そうですが、その裏には「俺はもう成長しなくてもいい」という免罪符が隠れています。結果として、法令や指針、事務処理手順等も読まずに何事も過去の感覚で仕事をしている先輩上司とは、話が噛み合わない場面も多々ありました。
虫ケラで良かったと思う今
しかし、振り返ってみると、虫ケラとして国税の職場を過ごした経験も悪いことばかりではありませんでした。あの環境にいたからこそ、人生を見直し、より良い自分を目指そうと決意するきっかけになったのです。
もし、最初から居心地の良い職場だったら、私の成長はそこで止まっていたかもしれません。まるでクロノ・トリガーで、カエルの姿に変えられたからこそ「グランドリオン」を手にしたグレンのようなものです(世代がバレる比喩)。
現職のときは、期別なんて関係ないをモットーに、専科・普通科も関係なく、みんなで仕事を粛々とこなしつつ、結果振り返ってみれば成長していたという雰囲気を大事にしたいと考えていました。
成長可能性
1期違えば虫ケラ同然。最初は「いや、気持ち悪っ」と思っていたこの言葉も、今では「進化の助走期間だった」と前向きに捉えています。
もし今、「虫ケラ時代」を過ごしている人がいれば、どうか自信を持ってください。虫ケラは進化して蝶になれるのですから。さっさとこんな狭い檻から飛び出して、広い世界へ羽ばたいていきましょう!無理やりこじつけたところでおしまい。
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