無職生活、案外悪くないものです。
そう言うと語弊があるかもしれませんが、今のところ、生活リズムを崩すことなく、心も身体もおおむね健やかに過ごせている実感があります。家計にお金を全然入れていないことを除けば、ですが。
公務員という身分を手放し、勤め人生活にピリオドを打った今、ふと立ち止まって考えました。この無職期間、どう使うか。
よくある話ではありますが、まずは「やるべきこと」より「やってはいけないこと」から整理するのが良さそうだと感じました。というわけで、私なりに“無職生活で避けたいこと”をリストアップしてみました。
無職生活でやらないと決めたこと
まず筆頭は昼夜逆転生活です。これを許してしまうと、社会復帰までの距離がどんどん開いていきます。元来、私はやや朝方人間タイプです。早朝に太陽を浴びる生活には一定の意味があると信じています。
次に、一人でお酒を飲むこと。これは趣味というより、気分次第で転がり落ちかねない悪癖と隣り合わせな気がしています。友人と飲むならともかく、「今日は特別」という理由が連日続くようでは危険です。
そして最後は、SNSやスマホへの過剰な依存。これは言うは易く、断つは難し。ドーパミン中毒的な感覚に支配されてしまうと、1日がスクロールだけで終わっていた、という未来も大いにありえます。そうならないために、まずはこの“やるべきではないこと”を意識的に遠ざけていくことにしました。
まずは「大きな石」から入れていく
これは有名な時間管理の話ですが、壺に石を入れるとき、小石から先に入れてしまうと、大きな石が入らなくなるという例えがあります。大きな石=優先度の高いこと。まずはそこから考えてみました。
一つは、旅行です。引っ越しの関係で実際に動けるのは8月以降になりそうですが、せっかくの無職期間、まとまった時間を活かさない手はありません。
妻との旅行も楽しみではありますが、今回は実家の両親を誘ってみようかと思っています。「親孝行、したいときには親はなし」という言葉もありますし、元気なうちに、ちゃんと時間をとって一緒に過ごすことが、今の自分にできることではないかと考えています。
もうひとつの案は、一人旅です。『夢をかなえるゾウ0』という本の中で紹介されていた、「何もしない一人旅」に惹かれました。本を一冊持って、誰にも話しかけられず、ただ朝日を見て、散歩して、読書して、眠る。そんな時間の流れを、人生で一度くらいは体験してみたいと思っています。
「小さな石」にも価値がある
大きな目標ばかりでは身が持ちません。日々の暮らしの中で積み重ねられる“小さな石”たちも、私の心を支えてくれています。
たとえば、図書館で本を読むこと。
以前、図書館に関するブログ記事も書きました。
(参考記事:図書館とか公民館好きです)
静謐な空間でページをめくるという行為は、無料とは思えないほどの贅沢です。最近の話題作も案外早く並びますし、古い名著との出会いもある。しかも一切の出費がない。無職の今、これほど心のコスパが高い趣味は他に思い当たりません。
おそらく今後、税理士として事業が軌道に乗れば、気が緩んで散財する日が来るかもしれません。そんなときには、「あのときの無職時代、無償で心が満たされたじゃないか」という原点に立ち返れる気がします。
筋トレは、心にも効くかも
もうひとつ、私の暮らしを支えているのが筋力トレーニングです。
特に、パワーリフティングのBIG3(スクワット・ベンチプレス・デッドリフト)を伸ばすことに集中しています。筋トレが脳にどれほど良いかという科学的な裏付けはさておき、とにかく終わったあとの心身の充実感はすさまじいものがあります。
しかも今は、「翌日に仕事があるから控えめにしておこう」といったブレーキをかける必要がありません。思いきり自分と向き合い、限界に挑戦できる。現在の目標は66kg級でBIG3合計500kgです。
今日も、やるべきでないことをやらずに終える
退職してからしばらく経ちますが、ありがたいことに、今のところ堕落の気配は感じていません。
「やるべきでないことをやらない」だけでも、こんなに心は穏やかになるのかと、不思議な感覚さえあります。そしてそこに「本を読む」「身体を鍛える」「人を大切にする」というごくまっとうな営みが加わればそこそこ幸せに生きていけるような気がします。
今夜も早く寝ます。
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