調査審理課も4年目に突入しました。
国税の世界では「審理は1,000日修行」とよく言われますが、私の場合は係員としての調査審理歴は実質2年間だけ。あとの2年は総務担当と今回の部署だけなので、正直「修行」と胸を張れるほどの経験値ではありません。それでも、この年からはちょっと特殊なポジションである他局支援担当を任されることになりました。
他局支援担当という役回り
他局支援担当は、ペアの審理官(主査クラス)と一緒に東京国税局以外の地方局の調査事案について審理支援を行う仕事です。庁の調査課に調査事案を上申する際、「東京局の他局支援担当に話を通してあるか」と確認されることも多く、私たちの意見は組織の判断プロセスの中でも意外と重みを持っていました。
当時ペアを組んでいた審理官は、数年後に早期退官され、現在は国税OB中心の税理士法人で活躍されています。実は私も独立を決意する前、その税理士法人への転職を真剣に考えていた時期があります。
出張と接待の思い出
この仕事の醍醐味の一つは、なんといっても地方局への出張です。
札幌、仙台、関信、大阪、高松、広島、沖縄、――1事務年度で7か所もの国税局を訪れました。仕事の合間や夜には、現地の職員の方々が接待してくれることもあり、北海道では新鮮な海鮮、沖縄では郷土料理、広島では牡蠣料理…と、胃袋まで満たされる日々でした。東京局の庁舎でひたすら書類と向き合うだけでは味わえない、まさに他局支援ならではの経験です。
ゆるやかな業務とアフター5
他局支援は、即時の判断が求められる性質の業務ではないため、比較的時間に余裕がありました。もちろん、調査部1・2年目職員向けの研修や、申告審理の誤りやすいチェックポイントの監修など、地味ながら重要な仕事もありましたが、定時退庁できる日も多く、その分アフター5が充実していた年でもあります。
そして、この余裕を存分に活用していたのが、当時の私のプライベート――婚活でした。
婚活全盛期
この頃の私は独身生活を謳歌しつつ、本格的に婚活に励んでいました。
X(旧Twitter)で婚活に関する発信を始め、マッチングアプリにも登録。そして、婚活中の男性として「マッチアップ」というメディアで取材を受ける機会までありました。担当してくださったのはマッチグアプリ業界では有名な伊藤早紀さん。ネット上でよく見かけていた伊藤さんの実物にお会いできて、取材中も緊張した記憶があります。記事はポジティブにまとめられており、少し照れくさいながらも悪い気はしませんでした。
SNSを通じた交流も活発で、100人規模の婚活アカウントBBQオフ会にも参加。このイベントはSNS上で賛否両論が飛び交っていましたが、私にとってはその年で一番楽しかったと断言できる時間でした。ところが、婚活アカウントとして目立ってくると、5chで名前が挙がるように。批判もありましたが、なぜかフォロワーは増え続け、学生時代に音ゲープレイヤーとして2chで話題になった頃を思い出し、懐かしい気持ち(?)になったものです。
Xアカウントの変遷
実は、今も使っている「ザウルス@」のアカウントには、“konkatsu”という文字が残っています。これは、まさにこの婚活全盛期の名残です。
その後、結婚してからは日常のつぶやき中心に移行し、さらに退職を決意したタイミングで徐々に国税職員であることを明かし、現役職員や国税志望の学生に役立つ情報を発信するという方向に舵を切りました。アカウントの色合いはすっかり変わりましたが、名前の一部だけは過去のまま残っている――これはちょっとした私の黒歴史でもあり、記念碑のようなものでもあります。
再び26部門へ
そんなこんなで、仕事の話はやや控えめなまま事務年度末を迎えました。
異動希望は、調査第三部調査第26部門。3年前に希望したときは「金融ってなんかカッコいいから」という理由でしたが、今回も正直なところ動機はほぼ同じです。以前、内担として26部門を経験しており、業務の雰囲気も分かっていたため、ここで改めて調査に携わりたいと思っていました。
結果は希望どおり、7月から3年ぶりの26部門復帰が決定。
もっとも、この調査生活が半年で終わることになるとは、この時点では想像もしていませんでした。その顛末は――また次回お話しします。
この1年間は、職務としては落ち着いた時間を過ごしつつ、プライベートでは婚活やSNSを通じて外の世界を思い切り満喫した時期でした。国税の中だけにとどまらず、外のコミュニティで得た経験は、今振り返ってもその後の自分に大きな影響を与えたと思います。
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