オーディオブックのインプットがしっくりきている

生活・考え

情報収集というと、多くの人は「読む」ことで行います。視覚、つまり目を使うインプットですね。
ただ、五感のうち耳は意外と空いていることが多い。歩いているとき、家事をしているとき、電車の中――そんな「ながら時間」に、耳を使って情報を入れるのが私には合っているようです。

この“耳のインプット”を意識するようになったのは10年ほど前。勝間和代さんや神田昌典さんが著書の中で、耳からの学習の有効性を語っていたことがきっかけでした。通勤時間にVoicyやAmazon Audibleを使って本を聴いてみたら、これが思いのほかよかったのです。
目を使わないぶん、疲れずに続けられるんですよね。


表層意識から深層意識への溶け込まし作業

税務署勤務時代、仕事がうまくいかずに落ち込む日も多々ありました。
「自分は本当に税理士としてやっていけるのか」と思いながら帰る夜道で、耳から流れてきたのが自己啓発の古典的名著たちでした。
当時よく聴いていたのは、ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』や、デール・カーネギーの『道は開ける』といった本。その派生として水野敬也さんの『夢をかなえるゾウ』シリーズもよく流していました。

内容を逐一覚えているわけではありませんが、前向きな人生観の維持にこれらは非常に役に立ったような気がしています。
「自分は大丈夫だ」「なんとかなる」といったポジティブな言葉を毎日浴び続けていると、努力次第で自分の人生は上手くいく的な表層意識を深層意識に溶け込ますというんでしょうか。
耳からのインプットは、知識というよりマインドの維持に向いているのかもしれません。
今こうして税理士として独立できているのは、耳からの自己啓発の影響も大きかったように思います。


勉強にも使ったけれど、限界もある

税理士試験の受験時代も、「何もしないよりは」と思ってWeb講義を耳で聴いていました。
ただ、やはりこれは記憶というより“雰囲気をつかむ”程度。
机に向かって理解を深める学習とは違い、耳からの勉強は理解の深掘りには向かない気がします。
聴いていて「そうだな、確かにそう習ったな」と復習と確認をしている感じですかね。筆記試験には机の上での勉強と目からのインプットが一番効きます(私の場合)。


向かないジャンルもある

一方で、オーディオブックがどうにも合わなかったのが小説系です。
登場人物に声がついてしまうと、どうも想像の余白がなくなってしまう。
山田詠美さんの『僕は勉強ができない』を寝る前に聴いたときも、主人公の秀美が「桃子さんとのセックスは最高だ」的なことを耳元で語りかけてきた瞬間、自分の中の陣内智則が「セックスすなー!」と叫んでしまいました。
想像の自由が吹き飛んで、眠気も吹き飛びました。
小説等は、紙や電子で読んで想像の余白を残しておくほうがいい気がします。


今はYouTubeプレミアムが主戦場

最近はAmazon Audibleをあまり使っていませんが、耳のインプット習慣は続いています。
今はもっぱらYouTubeプレミアム。
バックグラウンド再生ができるので、画面を見ずにニュースや解説動画を“聴く”スタイルです。
画面を見始めると、いつの間にか関連動画やショート動画のスクロール地獄にはまってしまうので、耳だけで聞くのがちょうどいい距離感。
ニュースや時事ネタのインプットはここから得ています。


まとめ:耳はまだまだ使える

昔はカセットテープを車で聴いて、講演録などを学習していた時代、今は耳学習のプラットフォームが整っています。
Amazon AudibleにしろYouTubeにしろ、「耳を使うインプット」は現代の隙間時間により合っていると感じています。
移動中、家事中、散歩中――そうした何気ない時間に言葉を浴びせ続けると、少しずつ情報や価値観をアップデートしていきたいと思います。

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