OKストアの魅力

私は現在、公務員宿舎に住んでいます。周囲にはいくつかスーパーがあるのですが、食材の買い出しとなると、なぜかいつも足が向いてしまうのは少し離れた場所にあるOKストアです。

宿舎からそこまで近くもないOKストアに、わざわざ自転車を走らせて向かうわけですが、これを聞いた一部の方は、きっとこう言いたくなるでしょう。

「税理士のくせに、時間単価的な考えができてないのでは?」

たしかにその通りかもしれません。でも私にとって、あのOKストアまでの買い物時間は、いわばマインドフルネスの時間なのです。

パソコンや法令集から一時的に離れ、静かな住宅街を通り、あの「呼び込みくん」のBGMが流れる店内に足を踏み入れる瞬間、私は思うのです。

――実家かここは、と。

あの音楽、誰が決めたのか知りませんが、あの場の空気と絶妙にマッチしています。妙に落ち着く。これを「安心感」と言わずして何と呼ぶのでしょう。

もちろん、わざわざ行く理由はBGMだけではありません。OKストアはとにかく、安い。いや、それだけではありません。安い上に、ちゃんと美味しいのです。

たとえば、プライベートブランドのキムチ。これがかなり美味い。成城石井のキムチも美味しいのは認めますが、私はOKストアのキムチも同等、いやそれ以上だと思っています。何より、価格が圧倒的です。高級スーパーのキムチは確かに美味しい。でも、こっちも十分美味しい。そして安い。こんな正義、あります?

さらに言えば、私がリピート買いしている食材たちは、だいたい決まっています。まず皮なし鶏むね肉鶏もも肉。高タンパク・低脂質な鶏むねは筋トレ民の味方。皮をはいだ状態で売っているので、下処理の手間が省けて非常にありがたい。

そして、焼くだけで味が決まる魚類。特に鱈の味付きタイプにはお世話になっています。あれこれ考えずに済むのが良い。疲れて帰ってきた平日の夜、何も考えずに魚を焼いて、味噌汁と炊きたてご飯を添える。それだけで「ちゃんと食べてる感」が出るのです。

加えて、冷蔵コーナーのパルテノ(ギリシャヨーグルト)マルタイ棒ラーメンゼロカロリーのカフェインレスコーラなども、私の生活に欠かせません。

とくにゼロカロリーコーラは、夜に何か飲みたくなるときの救世主です。カフェインレスなので寝る前でもOK。そしてなにより、安い。定価で買うなんてもうできません。

OKストアのすごいところは、これだけでも安いのに、会員カードを提示して現金払いをすると、さらに3%オフになるという点です。

3%って、冷静に考えれば小さな数字かもしれません。ですが、私は思うのです。

「この3%、大きい。」

というのも、うちの家族はポイントカード類というものはほとんど持っていません。だからこそ、唯一の“お得感”として、この3%は精神的にとても効くのです。しかもあのカード、ちゃんとレジの人が「現金ですか?」と毎回確認してくれるところも、親切で好きです。

ちなみに、私のようなOKストア信者(?)からすると、他のスーパーに行くときには少しだけ背徳感があります。「浮気してしまった…」みたいな。

ロピアという別のスーパーも、品揃えは素晴らしいのですが、やっぱりOKストアに戻ってきてしまいます。安い・うまい・安心感の三拍子。これはもう、生活インフラの一部です。

もちろん、お酒類は他のスーパーとあまり価格差がない印象ですが、現在私は機会飲酒程度の減酒中なので、あまり関係ありません。ついでに言うと、飲んだら眠くなって思考が鈍るので、酒を控えた生活のほうが執筆作業や思考の整理には向いています。

税理士という職業は、どうしても「効率」や「時給換算」で物事を考えがちです。それはもちろん大事な視点ではありますが、それに囚われすぎてはいけないと私は思っています。

買い物という行為には、数字に表れない価値があります。手にとって選ぶ時間、家族の顔を思い浮かべて献立を考える時間、店内の空気にふれることで得られる気分転換。そして「買いすぎたかな」と思いながら自転車のかごに食材を詰めるあの瞬間。すべてが生活の一部であり、心を整える大切な時間です。

税理士のくせに、と言われようが構いません。OKストアには、私の暮らしをちょっと豊かにしてくれる何かがあります。

そして今日も私は、あの「呼び込みくん」に迎えられ、実家のようなOKストアでパルテノと鶏むね肉をカゴに入れるのです。

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