読書の秋?いやまだ暑いけど『人生の結論』を読んだ

読書の秋、というにはまだ外が暑すぎる気がしますが、図書館で借りた本の感想を少し書いてみようと思います。
私は近所の大きめの図書館をよく利用していて、今回はあらかじめ予約した本を受け取りに行きました。0円で知識を仕入れて、アウトプットとしてこうして文章にできる。点と点がいつ線になるかはわかりませんし、いずれ役に立つかはわからない。むしろ役に立たなくてもこの読書している時間こそが人生にとって有意義な時間かなとも思いつつ。

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今回読んだのは、小池一夫氏の『人生の結論』です。
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小池一夫という人物

小池一夫氏といえば『子連れ狼』の原作者であり、劇画村塾を主宰した人物です。マンガ・クリエイター業界の「師匠」的存在で、多くの後進を育てた人。その一方で、Twitterで発信していた名言も多く、いまもネットで語り継がれています。

余談ですが、「エレクチオン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 漫画の切り抜きを見たことがある人は、あぁあの人かと思うはずです。こうした独特な言語感覚も、小池氏の魅力のひとつです。

印象に残ったポイントと私の実感

◯◯でありたい、ではなく、◯◯であると思われたい

「幸せになりたい」ではなく、人から「幸せに見られたい」という人の方が現代は特に強い、と小池氏は喝破しています。確かにSNSを見ているとキラキラ生活や陽キャ擬態に命を懸けている人も少なくありません。普通に考えて、「幸せに見られて実は幸せじゃない」人生より、「幸せに見られていないけど幸せな」人生のほうがよいです。
国税職員時代は、「人からどう思われるか」は特に気にしてはいませんでした。まぁそんなこと考えながら仕事しているほど余裕はなかったというのが正しいのかもしれません。

一番できたときの成果は実力ではない

「あのときの自分にできたことが今できない」ことを受け入れるのは難しいですが、それを「自信」と「覚悟」の両面で捉える重要性を語っていました。
庁勤務時代は、抽象的な問いに対して、自分なりの答えを出していくような場面がありましたが、今から同じことをやれと言われても無理かもしれません。ただ、それを「かつてできた」自信と、「今は別の挑戦をしている」覚悟に分けて受け止めると、次に進む勇気が湧きます。独立準備をしている今こそ、この考え方は身に沁みます。

成長するなら、過去と同じレベルではダメ

「3年前と同じレベルなら3年後も同じ」という指摘も刺さりました。
引用されていた小林一三の「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ」という言葉も印象的でした。お茶当番や雑務に追われる若い国税職員のことを目に浮かべました。
雑務をやらざるを得ない職場文化の是非はともかく、雑務でも100点を取れる人間は、やがて大きな仕事を任されていたような気がします。
少々飛躍はしますが、小さな積み重ねが大きな仕事を呼び込むということかもしれません。

本だけは例外的に安い

「安いもので本当に良いものはない。ただし唯一の例外は本だ」と小池氏は述べています。図書館で0円で借りておいて言うのも何ですが、これは納得です。たとえ数千円でも、著者が何十年もかけて得た知見を一気に吸収できるのだから、これほどコスパの良い投資はありません。

本を読め、旅に出ろ、人の悪口を言うな

知識をインプットし、行動してアウトプットし、人の悪口を言わないことで人格を磨け。この三本柱はまさに人生の普遍的ルールだと思いました。
「旅」は旅行だけでなく、自分の世界を広げるあらゆる行動のメタファーだと解釈しました。私にとっては、ブログを書くこともその一つです。

自分の意志で老人になる

「定年してから急に情熱が湧くわけではない。若い頃から楽しさに集中した経験が蓄積されて、老後に支えになる」というメッセージも心に残りました。私は40手前ですが、体力・気力はむしろ今がピーク。ここからどれだけ濃い経験を積み重ねられるかが勝負だと思っています。
税理士として開業してからの人生は、国税職員としての過去よりもはるかに長いはずです。ならば今の時期に「楽しさに集中する経験」を意識的に増やすことが、将来の自分を助けることになるでしょう。単に仕事だけでなく、旅行や趣味、家族との時間も含めて人生の厚みを積んでいきたいと思います。

おわりに

『人生の結論』は、小池一夫氏の80年以上の人生から抽出された知恵がぎっしり詰まっていました。
国税職員としての過去と、税理士としての未来を見据える今の自分にとって、ちょうどいい軌道修正の指針を与えてくれる一冊でした。

見栄を張るよりも実際に行動し、過去の栄光にしがみつかず、正しい努力を積み重ねる。そうして自分の意志で老人になる未来に向けて、3連休の初日から良いスタートダッシュを決めていこうと思います。

…無職なので3連休とか関係ありませんが。

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