きっと上手くいくの弊害

新しいことに挑戦するときや大きな決断をするとき、「きっと上手くいく」と思いたくなるのは自然なことです。この希望的観測は、私たちに勇気を与え、前に進む力になることもあります。ただ、その気持ちにどっぷり浸りすぎると、思わぬ弊害を生むこともあるのではないか、と感じています。

私自身、現在税理士として独立準備を進めている最中ですが、「上手くいくかどうか」は正直分かりません。それでも、希望的観測だけに頼るのではなく、現実を直視しながら一歩一歩進めていくことが大事だと感じています。この記事では、楽観的な考え方の持つ落とし穴と、私がどう向き合おうとしているのかを考えをまとめてみたいと思います。


楽観性バイアスとその影響

人間には「楽観性バイアス」という心理的傾向があるそうです。簡単に言えば、自分にとって都合の良いことが起こる確率を過大評価し、逆に悪いことが起こる確率を過小評価するというもの。たとえば、「このプロジェクトは問題なく成功するだろう」とか「新しいことを始めれば自然と順調に進むはず」と思う気持ちは、まさにこれです。

私もこれまで、「まあなんとかなるだろう」と楽観的に考えて始めたことで、思いのほか手こずった経験が多々あります。そのたびに、「もう少し事前に問題を想定しておけば良かった」と反省することもしばしばありました。

現在は、こうした楽観的な思考を完全に否定するのではなく、もう少し現実を考慮に入れたうえで物事を進めるよう心がけたいと思っています。きっと「上手くいく」という気持ちを持ちながらも、「もし上手くいかなかったら」というシナリオを考えておくことで、精神的な打撃を少しでも和らげられるのではないかと思うのです。


私なりの「ポジティブ思考」と「備える力」

今、独立準備を進めながら感じるのは、ポジティブな気持ちと現実への備えのバランスをどう取るかということです。希望的観測は、新しいことに挑戦するときの原動力になりますが、それだけに頼っていると、不測の事態に立ち向かえなくなる恐れがあると感じています。

たとえば、「もし計画通りに顧客が集まらなかったらどうするか」「収入が予想より少なかったらどう補填するか」といったことを事前に想定しておくことで、万が一のときにも落ち着いて対応できるのではないかと思います。

私は、何か新しいことに挑戦するときに「成功するために何が必要か」を考えるだけでなく、「失敗したらどうするか」というシナリオも同時に描いていきたいと考えています。そのためには、考えるだけでなく、実際に行動を積み重ねることが重要だと感じています。


年齢は言い訳にせず、今できることを最大限に

30代という年齢は、新しい挑戦をするには良い時期だと感じています(もちろん、人によってタイミングは違いますが)。幸い、気力や体力もまだ十分にありますし、今の自分が一番力を発揮できる時期だと思っています。

ただ、年齢やタイミングを理由に挑戦を諦めたり、逆に挑戦を急ぎすぎたりすることは避けたいと思っています。失敗することも含めて「これが今の自分にとって必要な経験だ」と受け止めながら進めていく姿勢を大切にしたいと考えています。


映画「きっと、うまくいく」からの学び

ちなみに、「きっと、うまくいく」というタイトルのインド映画をご存じでしょうか?原題は「Aal Izz Well」。この映画は、私の人生で観た映画の中でもトップ10に入るくらい心に残る作品です。インドの名門大学に通う男子大学生3人の物語と、そこから10年後の彼らの姿を描いたストーリーで、友情や人生における成功と失敗を深く考えさせられる内容になっています。

映画の中で主人公が繰り返す「Aal Izz Well」という言葉は、「すべてうまくいく」という意味です。ただ、映画のメッセージは単なる楽観主義をすすめるものではありません。むしろ、「問題から目を背けるのではなく、現実を受け入れながら前に進むことの大切さ」を教えてくれる作品だと私は感じました。

もしまだ観たことがない方がいれば、ぜひ一度ご覧になってみてください。映画を通じて、「きっと上手くいく」という言葉の持つ本当の意味を感じられるのではないかと思います。


まとめ

「きっと上手くいく」という言葉は、確かに希望を与えてくれる素敵なフレーズです。でも、私はそれだけでは不安です。希望的観測を持ちながらも、現実にどう向き合い、どう備えるかが大切だと感じています。

今後も、物事が上手くいかない場合の選択肢を考えながら、でも心のどこかでは「なんとかなるさ」と思いつつ、日々進んでいきたいと思っています。このバランスを模索しながら、私は私なりのペースで歩み続けていきます。

もしこの記事を読んでくださる方がいるとすれば、共感していただける部分が少しでもあれば嬉しいです。そして、お互いの挑戦がそれぞれの形で実を結ぶことを願っています。

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