ゴールデンウィーク、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
……などと、世間話っぽく切り出してみたものの、そもそも今年のゴールデンウィークって、中途半端ですよね。4月26日(土)から5月6日(火)まで、という説をよく見かけますが、連休の取り方なんて人それぞれですし、結局は心のゴールデンウィークを持っているかどうか、なのかもしれません。何様だという感じですね。
さて、私のゴールデンウィークですが、正直に言えば、特に意識せず好きに過ごしていいと言われたら、家でひたすら漫画を読み、ゲームをして引きこもっていたと思います。というか、実際に、Switch2の抽選に見事に落選してしまった腹いせもあり、気づいたらNintendo Switchで『風来のシレン6』をおもむろに始めていました。超・神髄、1度しかクリアできていませんが、やりごたえがあってひたすら周回プレイをしています。
っとまぁそんな自堕落な生活をずるずる続けてしまうのも、悪くないのですが、
税理士独立前の最後のゴールデンウィークが廃人生活になってしまうという危機感がどこかにありました。
そこで思い立ったのが、「久しぶりに人と会ってみる」計画です。
ジュリア・キャメロンの『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』という本にも背中を押されました。かつて都内に住んでいると聞いていた従兄弟2人を思い出し、連絡を取ってみることにしたのです。……と言いたいところですが、実態は、私の父が企画した飲み会に、私がちゃっかり便乗しただけです。自発性ゼロですね。
集合場所は、父が40年近く通っているという、知る人ぞ知る居酒屋でした。
親子ほど年齢の違う常連さんたちが席を並べる、そんな場所ですが、最近は若い人の姿もちらほら見えるようになったそうです。小さな店内に、安価で美味しいメニューがずらりと並びます。父はこの店のマスターとゴルフ仲間でもあるので、いつもどおり談笑を交えつつ会はスタートしました。
3年ぶりくらいに再会する従兄弟2人も、無事に到着しました。
1人(兄)は、いわゆるJTCで課長クラスまで上り詰めたそうで、もう1人(弟)は独立して一人法人を経営しているとのこと。2人とも、それぞれ違った道を歩んでいるものの、なんとなく共通する頼もしさがありました。
近況報告に花を咲かせつつ、子供のころの思い出話にもなりました。
私が小さいころ、よく田舎の祖父母の家で一緒に遊んだことや、あの駄菓子屋は今もあるのかとか、そんな他愛もない話です。しかし、何気ない話の流れで、思いがけない発見がありました。
従兄弟の1人が、ふと父にこう尋ねたのです。
「おじさん、昔は海外によく行ってたって聞いたけど、今でも行きたい場所ある?」
父は、少し間をおいて答えました。
「ニューヨークと、ハワイかな」
この答えに、私は内心かなり驚きました。
家族の中では、父がそんなふうに自分の行きたい場所を語る姿を見たことがなかったからです。今ではジム通いと草野球が趣味で・守銭奴で無欲の代表みたいな父(失礼)が、ニューヨークとハワイ。しかも両方とも、今でも行きたいと。
この瞬間、私の中でひとつの小さな目標ができました。
「元気なうちに、父を海外旅行に連れて行こう」
そのためにも、今の仕事をきちんと軌道に乗せなければと、少し背筋が伸びた気がしました。
飲み会の中盤、私はちゃっかり営業活動もしておきました。
「私、今年の秋ごろには税理士登録して独立する予定なんだけど、もし税務で困ったらぜひ声かけてね」
これに対して、従兄弟(弟)は「ちょうど会計処理が複雑になってきたところだから本当にお願いすることになるかも」と言ってくれました。
たとえお世辞でも、やはりうれしいものです。
そんなふうに、和やかな時間はあっという間に過ぎていきました。
店を出る頃には、ほんのり酔いもまわり、気持ちよく夜風に吹かれていました。
帰り道、ふと考えました。
「やっぱり家族っていいな」と。
普段は気恥ずかしくて、そんなことを意識する機会も少ないですが、たまにこうして昔を懐かしみ、今を語り、未来に思いを馳せることができる相手がいるのは、何にも代えがたいものだと思いました。
それにしても、思い返してみれば、うちの家系はどこか金融や会計に縁がある気がします。
従兄弟2人は会計系の仕事をしているし、亡き祖父も株をよくやっていた人でした。
私も税理士として独立を目指している身。知らず知らずのうちに、そんな血を受け継いでいたのかもしれません。
次に父と従兄弟たちと会うときは、また新しい話題が生まれているといいなと思います。
できればその頃には、私も胸を張って「税理士やっています」と言えるようになっていたいものです。
楽しいゴールデンウィークの一日となりました。
おわり。
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