e-Taxでクライアントの申告等を代理するには、自分の利用者識別番号(以下「UID」)に“税務代理”の属性を付ける必要があります。
税理士になってから初めてUIDを取る人は悩みませんが、すでに自分の確定申告用にUIDを持っている場合、そのままでは代理送信ができません。ここで必要になるのが「税務代理による利用の開始」です。
加えてややこしいのが、UIDは一人につき1つしか持てないこと。新しく取り直すと、古い番号は消える前提です。ここを踏まえたうえで、私はさっそく税務代理による利用の開始届を出しました。私が実際に詰まった点(整理番号、通知の扱い)をメモしておきます。
どこから手続するのか(紙ではなくウェブのみ)
提出先は e-Taxの「開始・変更届(個人)」ページ。
👉 https://kaishi.e-tax.nta.go.jp/SU_APP/lnk/kaishiHenkouKojin
他の国税書類のように国税庁サイトのPDFを印刷して郵送…という方式ではなく、ウェブ入力で完結します。法令の根拠はオン化省令(国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令)周りな気がしています(細かくは未確認ですが、実務は上記窓口から進めばOK)。
入力でいきなり壁:整理番号どれ?(ここで電話しました)
画面の流れ自体は難しくありませんが、「整理番号」の入力欄で一瞬止まります。
「おいおい元国税だろ、整理番号くらい…」と言われそうですが、転居で所轄が変わると整理番号も付け直されます。私は退職に伴って公務員宿舎を出て、開業届は新しい所轄署に提出。つまり、今の整理番号は手元資料では分かりません。
整理番号0から始まる8桁。利用者識別番号とは別物です。旧住所側の整理番号は確定申告控などで追えますが、現所轄の整理番号は所轄署に電話で確認が早い。本人確認のうえ、番号を教えてもらえました。ここが今回の最大のつまずきポイントでした。
まとめ
・UID=e-Taxログイン&送信用の番号(一人一番号・重複不可)
・整理番号=税務署の内部管理番号(所轄が変わると付番し直し)
受付番号は一度きり/メッセージは来ず
入力が埋まれば送信。ここで分かったことを2つ。
- 受付番号は完了画面に一度表示されるだけ
画面を閉じると再表示できません。念の為スクショしたほうがベターです。 - e-Taxのメッセージボックスには何も来ない
属性追加のような変更手続は電子通知が来ない運用。マイナポータル経由の通知もありません。初見は不安になりますが、そういう運用だと割り切るしかないですね。
どうやって「完了」を知るのか:紙で届きます
私は令和7年10月23日に電子提出して、10月29日に普通郵便で到着。
封筒には「電子申告・納税等に係る利用者識別番号等の通知書」が入っていました。到着元は業務センター名義。ここでようやく「属性付与が完了した」と実感できます。
■今回の私のタイムライン
・10/23 「税務代理による利用の開始」を送信(現所轄へ電話して整理番号確認→送信)
・10/29 紙の通知書が到着(メッセボは終始無反応)
「電子で出して紙で通知」という運用には若干の違和感はあるものの、現行はこれが正式ルート。将来は通知も電子化されるのかもしれません。
小括
- 自分の申告にも代理送信にもUIDが必須。
- UIDは一人1つ。重複取得すると前のUIDは消える。
- 税務代理人として使うには「税務代理による利用の開始」で属性付与。
- 申請は電子のみ。送信後、メッセージボックスには一切通知なし。
- 後日、紙の「利用者識別番号等の通知書」で完了が分かる。(私の場合は5営業日で到着)
これから出す人へ:実務メモ(自分の反省込み)
- 整理番号は“現所轄”のものを入れる(迷ったら所轄へ電話)。
- 受付番号は画面で一度だけ。スクショ&PDF保存。
- メッセボに来ない=未処理ではない。紙の到着を待つ。
- UIDを取り直さない。既存UIDに属性追加が正解。
おわりに
初見殺し感のある部分も、先輩開業税理士の方々がブログ等で言語化してくれているおかげで、大きなミスなく終えられました。Webに残る一次情報のありがたさをあらためて実感します。この記事も、数年後にこれから開業する税理士の方の目に留まってお役に立つことができれば幸いです。


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