2021年初頭、妻が資格試験の勉強に励む姿を見て、自分も何か目標を持って学習したいと考えました。
しかし、勉強にあまり時間をかけすぎるのは避けたい。目安として半年・300時間程度で合格できる資格が理想的でした。
宅地建物取引士(宅建)や行政書士も選択肢に上がりましたが、最終的に決めたのがファイナンシャル・プランニング技能士(FP)1級でした。
目次
- FP1級取得の動機
- FP1級の受検資格
- 合格基準と目標点数
- 勉強計画の立て方
- 必要な教材と活用方法
1. FP1級取得の動機
FP2級は比較的多くの人が取得している資格ですが、FP1級となると一気に希少性が増します。
取得することで、金融・保険・税務・不動産・相続といった幅広い分野の知識を深められ、資格の信頼性も大きく向上します。
また、FP2級を取得した際に「お金の勉強は面白い」と感じたこともあり、FP1級に挑戦するモチベーションにつながりました。
2. FP1級の受検資格
FP1級の受検資格は以下のいずれかを満たす必要があります。
受検資格 | 条件 |
---|---|
① FP2級合格者で1年以上の実務経験 | 2級合格後、関連業務に1年以上従事 |
② 5年以上の実務経験 | FP業務に関わる実務経験が5年以上 |
③ 金融渉外技能審査2級合格+1年以上の実務経験 | 特定の金融資格+実務経験 |
多くの受験者が①のルートを選ぶかと思います。
実務経験の解釈は比較的広く、公務員の業務でも該当するケースがあります。実際に、一般社団法人金融財政事情研究会に問い合わせたところ、公務員の業務でも受検資格を満たすと認められました。
3. 合格基準と目標点数
FP1級の学科試験は基礎編(マークシート)と応用編(記述式)の2部構成で、**合格基準は120点以上(200点満点中)**です。
合格を目指す上での目標点数は以下の通りです。
試験 | 配点 | 目標点数 |
---|---|---|
基礎編(100点満点) | 52点以上 | |
ライフプラン・リスク | 30点 | 15点 |
金融資産運用 | 18点 | 10点 |
タックスプランニング | 18点 | 10点 |
不動産 | 16点 | 8点 |
相続・事業承継 | 18点 | 9点 |
応用編(100点満点) | 72点以上 | |
ライフプラン・リスク | 20点 | 14点 |
金融資産運用 | 20点 | 14点 |
タックスプランニング | 20点 | 14点 |
不動産 | 20点 | 14点 |
相続・事業承継 | 20点 | 14点 |
合計(200点満点) | 目標124点 |
本試験では基礎編58点・応用編85点の計143点を獲得しました。
目標124点に対して余裕を持った結果でしたが、これは計画的な学習が功を奏したといえます。
4. 勉強計画の立て方
FP1級の学習は、効率よく進めることが重要です。そこで、以下のようなスケジュールを立てました。
学習スケジュール | 期間 |
---|---|
1科目あたりの勉強時間(基礎編) | 2週間(ライフプラン・リスクは3週間) |
1科目あたりの勉強時間(応用編) | 1週間(ライフプラン・リスクは1.5週間) |
全体の学習期間 | 約4〜5ヶ月 |
科目ごとの順番も重要です。
私は、金融資産運用 → タックスプランニング → 相続・事業承継 → 不動産 → ライフプラン・リスクの順に学習しました。
さらに、試験1週間前には**TACの「あてるFP1級直前予想問題集(応用編)」**を活用し、試験の傾向を掴みました。
5. 必要な教材と活用方法
FP1級の学習では、テキスト・問題集・過去問の3種類を効果的に活用することが重要です。
① テキスト(インプット)
短期間合格のためには、インプットよりもアウトプット重視の学習が不可欠です。
テキストは基本的な概念を押さえる程度に留め、過去問で問われた論点を中心に読み込みましょう。
おすすめのテキストは以下の通りです。
テキスト名 | 出版社 | 特徴 |
---|---|---|
合格ターゲット FP1級 | きんざい | 過去問の出題傾向に沿った内容 |
1級FP技能士合格テキスト | FP技能検定研究会 | 基本事項を網羅 |
合格テキスト FP1級 | TAC FP講座 | 詳細な解説 |
私は「合格ターゲット FP1級」を使用し、持ち運びしやすいように裁断して活用していました。
② 問題集(アウトプット)
問題集は、解説がしっかりしているものを選ぶことが大切です。
問題集名 | 出版社 | 特徴 |
---|---|---|
精選問題解説集 | きんざい | 充実した解説 |
1級FP技能士対策問題集 | FP技能検定研究会 | 過去問の分析が詳細 |
合格トレーニング FP1級 | TAC FP講座 | 実践向け |
私は「精選問題解説集」を使用しました。
③ 過去問道場(オンラインツール)
過去10年分の過去問を掲載したサイトで、基礎編対策には最適です。
現在は有料会員でないと解説が閲覧できないため、その点は注意が必要です。
まとめ
FP1級の独学合格には、計画的な学習スケジュールと適切な教材選びが不可欠です。
次回は、**具体的な学習戦略(基礎編・応用編の学習方法)**について解説します!
第2回へ続く → 【FP1級 独学合格マニュアル【第2回】】
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