時間ができると、つい人生について考えてしまう

ゴールデンウィーク前半戦を終えました。
連休のありがたいところは、日頃なかなかできないことに取り組めることですが、反面、時間が余りすぎると妙に人生について考えてしまうのが困りものです。

私も、気がつけば30代後半。
もう若手とは呼べない年齢になりました。
厳密にはまだ30代ですが、「アラフォー」という言葉が自分にも適用されることに、未だに違和感を覚えています。

この年齢になると、以前は他人事だった「死」というものが、すこしずつ現実味を帯びて迫ってくることを実感します。
同年代の友人の父母の訃報に触れる機会が増えましたし、少し年上の先輩の訃報を耳にすることもあります。
いずれも、数年前なら「そんなに身近な話じゃない」と思っていたことが、今ではふと日常の延長線上に転がっているように感じるのです。

一方で、元気に長生きしている方もたくさんいらっしゃいます。
先日、職場の50代の職員が「祖父が亡くなったので忌引きを申請させてください」と申し出たときには、思わず「えっ、実父じゃなくて祖父!?」と聞き返しそうになりました。
50代といえば、こちらも立派な中堅世代ですが、それでも「祖父」という存在が健在だったということに驚きました。
しかも忌引きの対象になるということは、日常的に交流があったのでしょう。

孫が50代になっても祖父母が生きているというのは、なんともあたたかい話です。
何歳になっても孫は孫。
想像するだけで、ほっこりした気持ちになりました。
この先、自分が50代になったとき、誰にどんな風に思われているのか、ちょっとだけ楽しみでもあります。

そんなことをぼんやり考えていた矢先、父と従兄弟2人で飲みに行く機会がありました。
父は70代ですが、ありがたいことに元気そのものです。
昔と変わらない口調で冗談を言いながらお酒を飲んでいる姿を見ると、なんだかこちらまで元気になります。

それと同時に、「今のうちにできるだけ尽くしておきたいな」と強く思いました。
私自身、独立を予定しており、会社員や公務員のような縛りのある働き方からは、もうすぐ卒業する見込みです。
独立すれば、たとえば仕事の合間に実家に顔を出すことも、スケジュール次第で柔軟にできるようになります。
もちろん、独立後は独立後で忙しい日々になるでしょうが、「自分の時間をどう使うか」という自由度は格段に上がるはずです。
(※まだ独立前のため、あくまで私の想像の域は出ていないのですが)

実家を事務所代わりに使う、という選択肢も一応あります。
今のところ決めているわけではありませんが、仮にそうなれば、実家に一定額の賃料を支払うことになります。
それもまた、一つの親孝行の形なのかなと思ったりします。

思い返せば、私は大学1~2年生の頃、実家から通えなくもない大学に通っていながら、「一人暮らしをしたい」という理由で家を出させてもらいました。
家賃や生活費、さらに学費まで負担してもらっていたわけですが、今、自分が親の立場になったつもりで考えてみると、とてもできることではないように思います。
私が「一人暮らしがしたい」などという理由に、ちゃんと応えてくれました。

親というのは、子供に対して無償で尽くすものだと、若い頃はどこか当然のように思っていました。
けれど、自分が年を重ねてみると、その「当然」がいかに奇跡のようなものだったか、しみじみ感じるようになりました。

仕送りだけでなく、旅行にもたくさん連れて行ってもらいました。
小さい頃は、正直なところ「長い移動がめんどくさいな」と思ったこともありましたが、大人になった今では、あの時行った場所にまた行ってみたいな、と思うこともあります。
旅先での思い出が、まるでロールプレイングゲームでいう「セーブポイント」のように、心の中に保存されている気がするのです。
いざというとき、ふと立ち返ることのできる場所。
それを持っているというのは、なんだか心強いものです。

年齢を重ねるにつれて、人生はシビアな面も見えてきますが、同時に、誰かにしてもらったことのありがたさや、積み重ねてきたもののあたたかさにも気づくことができます。
若い頃は、「自由になりたい」とか「自分らしく生きたい」とばかり考えていましたが、今はその自由を誰かの支えの上に得られていたのだということが、身に染みてわかります。

これから先、どんなふうに歳を重ねていくのか、正直、まだうまくイメージはできません。
けれど、誰かの心のセーブポイントになれるような生き方ができたらいいなと思います。
まずは、独立に向けて地に足をつけて歩き出すこと。
そして、時間や場所にとらわれない働き方を手に入れて、必要なときには家族のそばにいられるような、そんな柔らかな生き方を目指したいと思っています。

まあ、その前にゴールデンウィーク後半戦をどう乗り切るか、そちらの方が先かもしれませんが。

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