5月という月について、真面目に考えてみた

5月って、どう思いますか?

改まって問われることの少ないテーマかもしれませんが、私はこの「5月」という月を、毎年なかなかに気にかけて生きてきました。

まず、気候がいいですね。暑すぎず寒すぎず、空気はほどよく乾燥していて、窓を開ければちょうどよい風が部屋を抜けていきます。四季のある日本の中でも、「一年で最も過ごしやすい」と評されるのが5月というのも納得です。

公務員の夏季軽装も、5月から解禁になります。いわゆる「クールビズ」です。ネクタイと上着の呪縛から解き放たれるタイミングで、署内でもポロシャツやチノパン姿の職員が徐々に増えていきます。例に漏れず、私もその一人です。朝の準備が楽になるという意味でも、5月はありがたい月です。

日の入りがだんだん遅くなり、明るいうちに退庁できる日が増えるのも気持ちがいいです。まだ少し肌寒い夜道を歩きながら、「ああ、今日もよく働いたな」と思えるのは、5月の恩恵かもしれません。

ただ、そんな5月にも陰の側面があります。今はあまり聞かれなくなりましたが、「5月病」という言葉をご存じでしょうか。

5月病とは、4月に新しい環境に適応しようと頑張りすぎた反動で、5月の連休明けごろに心身の不調を訴える人が増える現象のことを指します。正式な医学用語ではありませんが、特に新入社員や新入生など、生活環境が大きく変化した人に見られがちです。倦怠感、意欲の低下、食欲不振、不眠など、うつ病に近い症状が出ることもあるため、無視できない問題です。

私自身はありがたいことに、今まであまりこの5月病に悩まされた経験はありません。ただ、「5月ってなんか調子出ないな」と思ったことが一度もないかと問われれば、そうでもない気もします。やはり、季節や月にはそれぞれ特有の“気”のようなものがあるのでしょうか。

それから、「セル・イン・メイ(Sell in May)」という言葉も、5月のイメージを少し曇らせます。これはアメリカの株式市場でよく使われる格言の一つで、「5月に株を売れ、そして9月までは市場から離れろ」といった意味を持ちます。実際に、統計的にも5月以降の夏場は株価の動きが鈍くなる傾向があるようで、投資家たちの間では警戒されがちな時期です。

もっとも、私のように米国インデックスファンドに淡々と積み立てをしている者にとっては、むしろこうした下落傾向の時期こそが仕込み時なのかもしれません。高値づかみよりも、安くたくさん買える方が良いという考え方は、ドルコスト平均法の基本でもあります。だからこそ、セルインメイという言葉に一喜一憂することなく、「ああ、いつもの季節が来たな」と受け止める心構えが大切だと感じています。

さて、私にとって5月が特別な意味を持つ理由を最後にひとつ。

そうです。5月は私の誕生月なのです。

5月19日生まれ。ぎりぎりおうし座、ぎりぎり春のうちに生まれた私の誕生日は、子どもの頃からずっと「いいタイミングの誕生日」だと感じてきました。ゴールデンウィーク明けのちょっと落ち着いた時期で、周囲の空気もどこか平常運転に戻りつつある中、自分の誕生日があるというのはなんだか心地よいのです。

「もういい歳なんだから、誕生日くらいではしゃぐな」と思われるかもしれませんが、私は何歳になっても誕生日は嬉しいです。むしろ、年を重ねるにつれて、今この瞬間を丁寧に祝いたくなってきた気がします。

ちなみに今年の誕生日は、有給休暇を使って大阪万博に行く予定です。結構前から計画していたのですが、「誕生日に万博」というのはなかなかない経験です。未来への希望が詰まった場所で、自分の未来にも少し思いを馳せてみようと思っています。

5月。過ごしやすい気候と軽装解禁の嬉しさ、新緑の景色とややこしい相場、そして静かに訪れる誕生日。

こうして振り返ってみると、5月という月には、明るさと陰り、期待と少しの焦り、そして個人的な節目が詰まっているように感じます。
もちろん、どの月にもそれぞれの意味や思い出があるはずで、人によって特別な月はきっと違うのでしょう。
そんな中で、私にとってはやはり5月が好きな月です。

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