引っ越し先と、税理士事務所のゆくえ

国税の職場を辞めたら、当然ながら公務員宿舎にも別れを告げなければなりません。
結婚してから、比較的築浅で綺麗な今の公務員宿舎にお世話になってきた私ですが、いよいよ本格的に「引っ越し」というイベントに直面する時期がやってきました。

そして、ただの引っ越しではありません。
今回は「住む場所」と「働く場所」の両方を一度に考えなければならないのです。そう、私の独立開業に向けた新しいスタートが、まさにその時を迎えようとしています。

夫婦ともに人生の転換点

この春、私の退職とタイミングを合わせるようにして、妻の勤務先にも大きな変化が訪れました。

もともと妻の会社は「完全フルリモート」が基本の勤務形態。平日は日中ずっと自宅でPCと向き合いながら仕事をしており、生活にもすっかりそのペースが染みついていました。

ところがある日、社内に大きな方針転換が発表されました。
「週に最低3日は出社すること」と。

聞けば、グループ全体で経営方針が見直されたのだとか。
地方に戸建てを買ってしまった社員たちはきっと青ざめたことでしょう。もちろん、我が家も他人事ではありません。

出社免除には“相当の理由”を記した上での申請が必要とされており、私たちも夫婦で知恵を絞って申請書を作成しました(地方に戸建てを買ってしまった方などはこの“相当の理由”で出社免除されたと聞いています)。
が、結論としては――却下。

「そんなに遠くないんだから、ちゃんと出てきてください」といったメッセージが行間から滲み出る結果となりました。
かくして、我が家の引っ越しは“生活環境の見直し”という面だけでなく、“職場への現実的なアクセス”という課題にも直結することになったのです。

引っ越し先、どうする?

まず、引っ越し先選びで重視すべきは、妻の通勤。

こればかりは譲れません。妻が週に3日も通勤しなければならないとなると、「電車1本で都心まで30分以内」は満たしておきたい条件となります。
さらに、家賃、駅からの徒歩時間、築年数や間取りなど、どこを譲ってどこを死守するかの見極めが必要になります。

今のところ、予算は月10万〜15万円で、最低2DK以上。駅から少し遠くてもOK。
共働き夫婦の、ある種リアルな着地点を探っている最中です。

税理士事務所は「家にするか」「外にするか」

もう一つの悩みは、私の仕事場です。

独立後は税理士として事務所を開設することになりますが、問題は「自宅兼事務所にするか、それとも外で借りるか」という点です。

費用だけを見れば、自宅兼事務所が圧倒的にリーズナブルです。しかしながら、世の中のすべての賃貸物件が「事務所使用可」なわけではありません。
税理士会に登録するためには、きちんと法令に適合した「事務所」が必要です。
「住みたい家が見つかったけど、事務所使用不可だった」という事態になれば、選択肢は外で借りる一択になります。

第三の選択肢「実家」

ウルトラCとして、実家を活用するという案もあります。
幸いにも、私の実家も妻の実家も東京都内。仮にどちらかの家の一室を間借りできるのであれば、そこを事務所として税理士会に登録することも一つの手段です。

たとえば、引っ越し先は夫婦で住む場所として確保し、私は平日だけ実家の一室に“通勤”するスタイル。
光熱費や家賃の扱いなど、法的・税務的な論点はあるので慎重な確認が必要ですが、十分現実的な選択肢として検討に値します。

なにより、実家であれば、家賃交渉も柔軟ですし、税理士として最初の一歩を踏み出すための安心感があります。

結局、人生は前に進むしかない

フルリモートを続けたいという妻の願いは叶いませんでした。
それでも、私たちは“このタイミングで引っ越す”という判断が間違っていなかったと、前向きに受け止めています。

公務員という安定を手放してまで独立を選んだ私にとって、環境の変化は「乗り越えるべき壁」であり「挑戦の舞台」でもあります。

事務所が家になるか、実家になるか、あるいは別に構えるか。
まだ決まっていないことも多いですが、ひとつだけはっきりしているのは、「この道を正解にするしかない」ということです。

引っ越し先も、事務所の形も、どうせなら楽しみながら決めたいと思っています。
多少の苦労があっても、それをネタにして書けるブログがあるというのは、救いでもありますね。

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