オフ会という不思議な場について

ときに、皆さんはオンラインでやりとりしている方と実際にお会いしたことがある経験をお持ちでしょうか。いわゆる「オフ会」というやつですね。オンラインでやりとりをしているということは、すでに共通の話題があるわけですから、リアルで会えば自然と会話も盛り上がるものです。今日はそんなオフ会について、私自身の経験を交えて語ってみたいと思います。

高校生での初オフ会――立川オスローの思い出

私が人生で初めてオフ会に参加したのは高校1年生の頃でした。当時、家に初めて自分専用のパソコンがやってきて、インターネットの世界に飛び込んだ私は、掲示板やオンラインゲームに夢中になっていました。最初にハマったのは「東風荘」というオンライン麻雀ゲーム。ネットの向こうにいる知らない人とチャットしながら麻雀ができるのは衝撃で、あの瞬間、「世界が一気に広がった」と実感したのを覚えています。

その後は音楽ゲーム「ドラムマニア」の交流掲示板にのめり込みました。掲示板では全国のプレイヤーが腕前や譜面の話題で盛り上がり、気づけばオフ会やろうという話に。会場は東京・立川駅にあったゲームセンター「オスロー」。今はもう閉店してしまったようですが、当時は音ゲー好きにとっての聖地のような存在でした。

当日は小規模な大会が開かれ、初対面ながら皆がドラムスティックを握れば同じ土俵で、音ゲーコーナー全体が一体感を持っていました。その場限りではありましたが、掲示板に戻ると「あのときの◯◯さんですね」と話が広がり、オンラインとオフラインがつながる感覚を味わったのが印象的でした。

Twitter時代のオフ会――文字の裏にいる人間

大学時代はmixi全盛期でしたが、あれは「知らない人と出会う」というよりは友人の日記を読むサービスとして利用していた側面が大きかったので、オフ会からは遠ざかっていました。再び戻ってきたのは社会人になってからです。

当時のTwitterは、今ほど使い方が定まっておらず、私はとにかく仕事の愚痴や日常のぼやきを垂れ流していました。すると同世代の社会人などから「そのつぶやきが妙に面白い」と声をかけられ、オフ会に発展。

実際に会ってみると、ツイート読んでいると気が合いそうだからという理由で集まった人ばかり。私としては、追い詰められた職場でひねり出していた言葉にそんな評価をいただけるとは思いもしませんでした。さらに、当時よくあったのが「中の人が男性だと思っていたら女性だった」というパターン。逆はなぜか一度もなく、静かな見た目の女性がツイートでは過激なことを言っているのを知り、不思議なギャップを楽しんでいました。居酒屋で談笑しつつ、ネットとリアルの境界線がどんどん薄れていく感覚を味わいました。

婚活アカウント時代の大規模オフ会

そして一時期、婚活アカウントとして活動していた時期があります。そのときは100人近くが集まるような大規模オフ会にも参加しました。男性も女性もいて、皆それぞれの婚活模様をツイートしている人たち。実際に会ってみると「ツイートの雰囲気そのままの人」が多かったのが印象的でした。

意外だったのは、シンプルなアイコンを使っていた人の方が男女問わず容姿が整っていたこと。逆に芸能人や派手なキャラクターのアイコンを使っている人は、リアルでもそのイメージを借りているからか少し控えめな雰囲気だったのを覚えています。そのオフ会がきっかけで交際がスタートしたカップルもいたようで、オフ会が人生を動かすこともあるのだなと実感しました。幹事の方の苦労は計り知れませんが、あの場を作ってくれたおかげで今でも多くの人とX(旧Twitter)で相互フォローが続いています。

オフ会で得た感覚と、いまの私

こうして振り返ると、私は「リアルで初めましての人に会うこと」にあまり抵抗を感じない人間のようです。これは、国税の年配OBにはなかなか無い特徴ではないでしょうか。SNS経由で仕事につながることが当たり前になった今、オフ会で培った経験が、私の発信や人との関係づくりのハードルを下げてくれていると感じます。

税理士として営業をする際には、オンラインでつながった方々とリアルにお会いする場面は必ず出てくるでしょう。オフ会で学んだのは、肩書きや立場を超えて人と人が直接話すときに生まれる安心感や信頼感です。それは、仕事の場でも強い武器になると思っています。

とはいえ、オフ会は顧客獲得のためだけではなく、趣味や余暇の中でも楽しみたいものです。最近はドラクエ10をプレイしており、チーム仲間との交流も増えました。いずれはその仲間たちとオフ会をしてみたいな、と考えています。かつて高校生で立川のゲームセンターに集まったあの日と同じように、ゲームを通じて人と出会い、そこから広がる世界をまた体験してみたいですね。

おわりに

オフ会は、オンラインとオフラインを行き来する不思議な場です。ネットの発言やアイコンの向こうにいる人間に出会い、そこから新しい関係が生まれる。そうした経験が、私にとっては人との距離を測る物差しになってきました。税理士として独立を控えた今でも、その感覚は大事にしていきたいと思います。

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