国税職員と飲酒

 飲酒文化が日本社会に深く根付いているのは周知の事実ですが、特に「国税職員」とお酒の関係は、切っても切れない関係にあります。「酒類業の健全な発達」が国税庁の任務の一つであるという建前が、当該職員らのお酒好きに正当性を与えているような気さえします。しかしながら、お酒にまつわるトラブルで懲戒免職となる事例も後を絶たないという現実もあります。この二面性が国税職員と飲酒をさらに興味深いテーマにしているように思えます。

 そもそもお酒との関係を見直すことで得られるメリットにはどんなものがあるのでしょうか。また、職場の飲み会にはどう向き合うべきなのでしょうか。この記事では、国税職員と飲酒をテーマに私の思ったことを語ります。


お酒を辞めることの実益について

 散々擦られ続けてきたので言うまでも無いですが、以下が挙げられると思います。

1. 時間

 退庁後、お酒を飲みに行くと、シンプルに時間がかかります。飲み会は最低でも2時間が基本ライン。酔いが回って話が盛り上がればさらに長引くこともしばしば。お酒を飲まない人にとっては、この時間は単なる持て余しタイムです。お酒を控えることで、余った時間をもっと有用な事柄に充てたほうがいいですね。私の若かりし頃は、飲み会幹事を務めた際に敢えて90分飲み放題のお店を予約して無理やり90分で終わらせるなどしていました。

2. 金銭面

 飲み会1回でざっと4,000円、2次会まで行けばさらに倍と考えると、毎月の出費はバカになりません。一方で、お酒抜きの食事ならせいぜい2,000円程度。これを月単位、年単位で計算すると、ちょっとした旅行や投資に使える金額が浮いてくるのではないでしょうか。

3. 健康面

 飲酒は、肝臓に負担をかけます。アルコールを解毒するためにフル稼働している間、本来の代謝や再生の役割が後回しになるため、老化や疲労感の原因にもなり得ます。しかも健康は後戻りできない一方通行。飲みすぎた翌日に後悔するくらいなら、そもそも控えたほうが賢明です。


飲酒文化と職場のムラ社会

 国税の職場と飲酒文化には、根深い「同調圧力」が存在するように思えます。といっても日本のJTCはどこもそうなのかもしれませんが。

「俺の酒が飲めないのか」「みんな飲んでいるのになんでお前だけ飲まない?」そんなセリフは聞いたことがないにしろ、そのようなニュアンスを感じたこともあるのではないでしょうか。

 お酒を飲んで遅くまで付き合い、その翌日、朦朧とした頭で出勤する。このムラ社会的な同調圧力に対し、「這ってでも出勤しろ」という無茶ぶりに付き合うのは正直キツいものです。そもそも、飲酒が仕事のパフォーマンスに悪影響を及ぼすのであれば、それはもはや「割に合わない投資」と言えるでしょう。

 「機会飲酒」という言葉があるように、1次会だけ参加してスパッと帰る等のムーブを基本所作とすることも一つの手かもしれません。

 ちなみにこれは飲み会参加前から断固たる決意を持って臨まなければ、1次会後のふわっとした感覚だと流されて2次会に行きがちになります。私だけかもしれません。


職場の飲み会は、積極的不参加

 職場の飲み会にはどう向き合うべきか。

 ここでの基本方針は、「行きたくなければ行かない」でいいと思います。ただし、このスタンスを取るためには、日ごろから周囲の人間が納得するような立ち回りをしなければいけないと思います。仕事を順調にこなしている人がきっぱり断れば、納得感があるというものです。

 「体質的に飲めない」という理由があれば、それを堂々と主張するべきです。無理して飲む必要は全くありませんし、むしろ飲めないことを理由に欠席するのは筋の良い戦略です。

 一方で、「断るのが難しい」「一応顔を出しておきたい」という場合は、1次会で盛り上げた後、きっぱり帰りましょう。若手だけで盛り上がる2次会も楽しいかもしれませんが、刹那的な快楽になりがちなのでほどほどが良いと思います。

 なお、私は今でもお酒好きで、職場の飲み会にノコノコ参加するタイプです。しかし、最近では一人では飲まない、1次会で帰るなど、機会飲酒を心がけています。


まとめ

 結局のところ、時間と金銭と健康面を代償に飲むだけの価値がこの飲酒機会にあるかということに尽きると思います。この問いに対して嘘偽りなくYESと言えるようであれば、その飲み会は自分の人生にとってプラスとなることでしょう。

 お酒は飲めるけど、ノンアルで飲み会に参戦することが何度かありました。周りがほろ酔い気分の中、自分だけが完全にシラフというあの独特の感覚。これが後の人生に結構響いている気がします。

 職場を辞めると決めたときも、なんだかあの「自分だけシラフ」状態に近いものがありました。周りが酔っ払った勢いで盛り上がっている中、自分だけ冷静に現状を見ている感じですかね。上手く言語化できませんが。

 余談ですが、1次会をノンアルでやり過ごして、みんなが2次会に突入している頃に、税理士試験の勉強をしたり、ジムでスクワットをガンガン追い込んだりすると、なんとも言えない高揚感を味わうことができます。こっちはサウナの整いに近い感覚でしょうか。違うか。

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