税理士試験の「簿記論」と「財務諸表論」(通称:簿財)。
国税職員が入庁10年目あたりまでこれらを取得するムーブを私個人としては推奨しております。何より、自分が取得して本当に良かったと思っているので。
そこで、国税職員と税理士試験について、私の経験を交えて語ります。これを読んだ後、簿財への受験に少しでも興味を持っていただければ幸いです。
簿財取得のメリット
国税職員として、簿財取得をすれば、税理士試験の一部免除制度との合わせ技で、いざというとき職場に縛られない選択肢が増えます。
例えば、
- 転職の自由:税理士資格で開ける第二のキャリア(BIG4に転職する職員続出)
- 心の余裕:「いつでも辞められる」という気概でコーティングされた労働は頭脳に優しい
私も在職期間中に簿財を取得して以降、「仕事が嫌になったら辞めればいいか」と肩の力を抜いて仕事に取り組めるようになりました。
副業が禁止されている公務員である以上、リスクをとって何かできることといえば極めて限定的です。この点、簿財合格というのはリスクパフォーマンスが一非常に高いのではないでしょうか。
予備校か独学か:永遠の悩み
税理士試験の簿財を調べていると最初にぶち当たる問題です。
ネットの情報を収集すると、独学でも十分合格できるというものもあれば、予備校を利用したけど落ちたというものもあり、どちらにすればいいのか非常に悩ましい問題であります。
できる人にとっては独学でも突破可能、だけど自分ができる側の人間であるかはわからない。ということかと思います。
個人的には、独学でやり遂げる自信が十分に持てなく、かつ、金銭面が許すのであれば、TACか大原のWEB通信講座を受験するのが良いかなと思います。
- 独学:安上がりだけどリスク中〜大
- 予備校:お金はかかるけどその分合格率は高い
私個人は、1年目は独学で財務諸表論を合格、2年目は独学で簿記論に挑むも不合格。3年目に予備校(大原のWEB通信)で簿記論を再挑戦してなんとか合格を果たしました。結果的に言えるのは、「金はあったので最初から予備校を使って両科目一気に受験していれば…」という感じです。まぁ最終的に合格したのでヨシ!
勉強時間の捻出:朝活はガチで有用
いかにして勉強時間を確保するのか。
簿財受験期間は月40~60時間程度残業する部署に居た際の私の勉強について
- 朝型学習:出勤前に計算問題を解く(30分問題をあらかじめ用意しておく、15分で答え合わせ&復習、計45分の時間を死守して習慣化する。)
- 隙間時間:通勤中は財務諸表論の理論を暗記、改札入ったら、鞄から理論のチェックポイントを手にもってスマホをしまうのを習慣化すれば勝手に勉強し始めます。まずは電車内で理論を1つ覚えることがノルマ、あとは作業興奮で何とか最後まで勉強できます。
- 土日祝日:図書館や予備校の自習室に朝一(これが重要)で行ってひたすら問題を解く、前日酒は飲まない。
習慣化してしまえば上記は普通になりますが、その「習慣化するまで」が非常に大変なのでそこを頑張って乗り越えれば後はいけます。
試験当日の休暇確保(重要)
試験は8月上旬。人事異動直後の慌ただしい時期ですが、ここで重要なのは「鬼の休暇申請」。
コツは「無表情で休暇カードを出す」ことと、「ズラして早めに夏季休暇を取りますね」との一言。これで周囲との調整も円滑に。ワンチャン9連休とれて直前追い込みをかければ、たとえ模試が下位10%くらいでも十分に形成逆転可能かと思います。
人生において諦め癖をつけないこと
XをはじめとするSNSでは、1発合格が当たり前みたいな雰囲気が出ていますが、合格率的に多くの人は何回か受けて合格する試験ですので、仮にダメだったとしてもあきらめずに次の年の年始1月から粛々と勉強を再開することが大事です。
今の自分があるのも、あのとき税理士試験をやり遂げたからだと思っていますの。
独立や転職願望が無いにしろ、リスクパフォーマンス的にも挑戦する価値があるものと考えています。
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