現役国税職員から進路相談

国税職員

自分のX(旧Twitter)のアカウントに、現役国税職員の方から相談が届くことがあります。最近ですと内容は、専科研修が終わったことの報告と、今後の進路に関する質問が多いです。

このアカウントは事務所のHPとは紐づけておらず、完全に匿名に近い運用です。肩書として「元国税職員」であることに触れている程度で、特別に有用なことを日々つぶやいているわけでもありません。それでも、質問箱のような仕組みを置いていると、定期的に質問が寄せられます。

これが何を意味しているのか考えると、発信内容の価値というより「聞ける相手が少ない」という需給の問題なのかもしれません。組織内では聞きづらい。かといって、身近に同じ道を歩いた人も多くない。そういうとき、匿名の窓口があるだけで、質問が集まるのだと思います。

生涯公務員だけではなく、転職や独立を考える人が増えた感触

相談の文章を読んでいると、現役の方の中でも「生涯公務員」だけを前提にしていない人が増えている印象があります。転職や独立を視野に入れている若い方が、昔より多いのではないか。もちろん、自分のところに届く相談は偏りがあるので、全体像を語るのは難しいです。ただ、少なくともそういう層が一定数いることは確かです。

自分が国税の職場を離れてまだ1年経っていないくらいなので、今は珍しく見られているだけ、という面もあります。時間が経てば「元国税の税理士」自体は別に珍しくない。飽きられる前に、何かしら形にしておくのは経験としてありなのかもしれない、と思うことがあります。

ここは少し迷うところでもあります。発信を始めると、どうしても「見られること」に引っ張られます。自分は、まずは地に足のついた仕事をしたいという気持ちが強いので、先に発信を大きくするのは順番が違う気もします。

「国税職員向けコンテンツ」は作れるが、守る線がある

とはいえ、国税職員向けのコンテンツを作るという発想自体は、自然に出てきました。たとえばYouTubeで、仕事の進め方や試験の話、転職の考え方を語る。あるいはKindleで、将来税理士として独立を考えたときにまず読む入門書を出す。こういうことは、やろうと思えばできそうです。

ただ、ここで最優先になるのは線引きです。守秘義務に反する話は絶対にできません。個人が特定される要素を排除する。これらを徹底したうえで、なお残る「普遍的な話」だけを扱う必要があります。

逆に言えば、普遍的な話だけでも需要はあるのだと思います。相談内容の多くは、制度の細部よりも「どう考えたらいいか」「何から手を付けたらいいか」という整理の部分に寄っています。だから、地味なガイドのほうが役立つ可能性が高いです。

まずは「元国税の税理士として問題なくやっている姿」を作る

自分がいま一番大事にしたいのは、発信そのものより、実務の土台です。元国税職員の税理士として、問題なく、丁寧に仕事を回している姿を作る。結局、ここができていないと、たとえ発信したとしても、実務をきちんとやっている者にしか出せない手触りのある言葉は生まれません。

「独立したい」「転職したい」という相談に答えるとき、言葉だけでは弱いです。自分がどう働いて、どう顧客に貢献して、どう生活が成り立っているのか。その現実が伴って初めて、相手が参考にできます。だからこそ、まず根っことなる顧客貢献をしっかり積み上げたいと思っています。

発信は、勢いで始めると続きません。逆に、日々の実務から自然に出てくる話を積み上げる形なら続けられます。いま届いている相談は、その入口としては十分に面白い素材です。あとは、それを「焦って商品化する」のではなく、「実務の裏打ちがある形」に整えていけるかどうかだと思っています。

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