書籍『渋谷ではたらく社長の告白』で心が震えた

読書

少し前から気になっていた『渋谷ではたらく社長の告白』を読みました。
サイバーエージェント創業者・藤田晋さんの自叙伝です。

タイトルや存在自体は昔から知っていたのですが、近所の図書館には置いておらず、「いつか読みたい本リスト」に入れたままになっていました。
たまたまAmazonでおすすめに出てきて、しかもKindle Unlimitedの読み放題対象。これは今だなと思い、迷わずダウンロードしました。

おそらく、12月にサイバーエージェントの社長を退任し、会長に就任されたことも少なからず影響があったのかもしれません。

初版は2005年。もう20年近く前の本ですが、読み始めてすぐに「これは古くならない本だな」と感じました。


上場後の挫折と、「終わりかけた夢」の描写が重い

本書の中心にあるのは、サイバーエージェント創業から上場、その後の苦境です。
上場して終わり、ではなく、むしろ上場してからが本当の修羅場だったことが、かなり赤裸々に書かれています。

業績悪化、株価低迷、外部からの圧力。
「もう会社を売ってしまってもいい」「夢はここで終わりでもいい」と思ってしまう瞬間が、経営者本人の言葉で語られます。

上場企業の経営者が自ら筆を執るというのも珍しいなと思います。
そして文章が上手い。
小学生の頃は小説家を目指していたというエピソードにも納得です。

いわゆる成功譚というより、「夢が潰えそうになったこと」にこそ、この本の価値があるように感じました。


渋谷・ビットバレーという時代の空気

個人的に刺さったのは、当時の渋谷の描写です。

私は1999年から2005年まで、青山学院大学の附属中高に通っていました。
渋谷は日常的に通っていた場所で、2000年春に渋谷マークシティが完成したことも、なんとなく覚えています。

本書では、「ビットバレー」と呼ばれ始めた当時の渋谷に、ITベンチャーが集積していく様子が描かれています。
サイバーエージェントが渋谷マークシティに移転する際、月1,500万円の家賃を払う決断をした話も印象的でした。

通学で何度も通っていたあの場所で、こんな熱量の高いドラマが進行していたのかと思うと、不思議な気持ちになります。


事業主として読んでよかったと思える一冊

自叙伝ではありますが、単なる昔話では終わりません。
事業を続けるうえでの覚悟や判断の重さ、人との距離感など、抽象化すれば今でも十分通用するエッセンスが多く含まれています。

特に印象に残ったのは、「事業が好調なときほど冷静でいる」という感覚です。藤田さんは夜に会食があっても、その後必ず会社に戻って仕事をしていたそうで、あの徹底ぶりは、やっぱりすごいなと思いました。
若手起業家が持ち上げられ、その後一気に落とされる流れは、時代が変わっても繰り返されているように思います。

2026年に読んだ本の中では暫定1位です。年に一度くらいは読み返したいなと思える本でした。
Kindle Unlimitedの対象なので、興味のある方は手に取ってみてもよいと思います。

あと、これは本の影響というより、たまたまタイミングの問題ですが、今日は税理士会の研修会と常会に参加してきます。賀詞交歓会は今回は不参加で、そのまま事務所に戻って、もう少し仕事を進めようと思います。

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