2日間、確定申告の無料相談会に従事しました。
会場はいずれも、調布市役所が入っている調布市文化会館の「たづくり」です。
独立してからというもの、「満員電車には絶対に乗らない」という、我ながらよく分からない信念ができました。そこで自宅兼事務所(府中市天神町)から、自転車で調布駅まで行きました。結果、普通に疲れました。
さらに後で聞いた話では、京王線の8時台は、各駅や急行なら「そこまで混んでいない」ことも多いそうです。もちろん日によりますが、少なくとも自転車で疲労を先払いするよりは、電車で体力を温存したほうが良い場面が多そうです。独立の自由はこういう細部で発揮されるはずなのに、なぜか自分で縛りを増やしてしまう。反省です。
「元国税職員」を隠しつつ、素直に助けてもらうムーブ
国税職員時代、自分は法人担当でした。個人の所得税について、細部まで自信満々に語れるほどの蓄積はありません。無料相談会では、相談員として最低限の判断力と手際が求められますが、ここが一番不安でした。
そこで取った作戦は、わからないことがあれば、税務署の職員の方(特に会場担当の統括官など)に素直に聞く、というものです。モチはモチ屋的な発想で、かつ、元モチ屋であることを隠しつつ、助けてもらいました。
もう一つ助かったのは、すでに別会場で従事していた支部の同期です。自分が迷うポイントは、たいてい同期も一度は踏んでいるので、言語化された注意点として返ってきます。結果として、なんとか相談員としての責務は果たせたと思います。ここは単純に、周りに恵まれました。
スマホ申告は「推奨」でも、対面で教える難度が高い
今回、最も強く感じたのはスマホ申告のハードルです。国税庁としてはスマホ申告を推奨していますし、サイトの操作も直感的に作られている印象はあります。ただ、対面で「ここを押してください」と案内するとなると、話が変わります。
画面が小さく、スマホ機種によってブラウザも違います。あとは、マイナンバーのパスワードが実はわからなかった。ブラウザバックで今までのデータが消えてしまった。などなどの心が折れそうになる瞬間がありました。
若い方は感覚が違うかもしれませんが、少なくとも自分の中では「パソコンが親機、スマホが子機」という感覚が残っています。同じことをするなら、パソコンのほうが楽だろう、と思ってしまいます。
実際、自分自身、パソコンでもスマホでも申告を経験していますが、作業としてはパソコンのほうが圧倒的に楽です。画面が広く、入力しやすく、資料との行き来もスムーズです。自宅から送れること自体が重要であって、送信手段がスマホである必然性は薄い気がします。
「スマホありき」の流れに違和感
スマホ申告用の確定申告書作成コーナーは相当な開発コストがかかっている、という噂を聞いたことがあります。もしそうなら、制度として「使ってもらう」方向に寄せたくなるのも理解できます。行政としては、窓口の負荷を減らし、オンラインで完結させたい。そのためにスマホは有力な手段です。
ただ、相談会の現場で見えたのは、「スマホが普及している=スマホで申告が楽」という単純な図式ではない、ということでした。スマホで完結できるのは確かに便利ですが、入力に慣れていない人にとっては、便利の前に壁が立ちます。パソコンでもスマホでも自宅から送れるなら、パソコンでも十分ではないか。自分はどうしてもそう考えてしまいます。
税務行政のDXという言葉も、いつの間にか「スマホでやること」に寄っている気配があります。もちろんスマホには強みがありますが、手段が目的化すると、現場の負荷や利用者のつまずきが見えにくくなる。今回の2日間は、そのズレを体感する機会になりました。
同期の横のつながりが、現場ではセーフティネットだった
話を戻すと、無料相談会では同期の方々を多く見かけました。分からないことが聞ける、助け合える、会場のクセを共有できる。こうした横のつながりは非常に有り難かったです。
自分の支部だけの特徴かは分かりませんが、同期の結びつきが強い環境にいられたのはありがたいことだと思います。独立すると、基本的に仕事は一人で進めます。だからこそ、こうした場で「横のネットワーク」が機能するのは貴重です。
今後も、会務は従事できるうちに、できるだけ従事して経験値を積みたいと思います。相談会は楽ではありませんが、税務の知識とは別のところで、鍛えられるものが多い2日間でした。

コメント