今回は、産休から育休にかけての手当や、社会保険料の免除について改めて整理してみました。制度はある程度知っているつもりでしたが、細かいルールや振込タイミング、免除の条件を噛み砕いて確認してみると、想像以上に家計に大きな影響がありました。今回の記事では、産休から育休終了までに受け取れる手当と免除される社会保険料を、典型的なケースを使ってわかりやすくまとめてみます。
産休と育休で受け取れる手当の流れ
まずは、産前産後休業と育児休業で受け取れる主な手当から確認します。今回のシミュレーションは、これからお母さんになる女性の「直近6か月の平均賃金を30万円」としたケースで行っています。ボーナスは含めず、毎月の総支給額の平均だけをもとに計算します。
産休中に受け取る「出産手当金」
健康保険から支給されるもので、
標準報酬日額の3分の2が、産前・産後の休業日数分だけ支給 されます。
標準報酬月額が高い場合、日額も高くなるため、出産手当金も大きくなります。産前は出産予定日の原則42日前から、産後は56日間が対象です。
今回のケースでは、日額にして約 6,600円前後、対象日数は産前と産後で合計約90〜100日程度になるため、
総額60万〜65万円前後 が支給されます。
実際の振込は産後休業が終わってからの申請になるため、出産の数か月後にまとめて振り込まれる のが一般的です。
育児休業給付金の仕組みと上限について
育休に入ると、雇用保険から 育児休業給付金 が支給されます。支給額は次のように変動します。
- 育休開始から6か月間:休業前賃金の 67%
- 7か月目以降:休業前賃金の 50%
ただし、ここで重要なのが 上限額 です。
今回のように平均賃金が30万円だと、本来であれば
- 67%:20万1,000円
- 50%:15万円
となりますが、実際には雇用保険の計算上、下記の上限額が適用されます。
- 67%期間の上限:324,200円
- 50%期間の上限:281,100円
今回のケースでは上限にはかからないため、概ね次のようになります。
育休給付金(概算)
- 67%期間(6か月):201,000円 × 6か月 = 約120万円
- 50%期間:150,000円 × 3〜4か月分(1歳到達前まで)
結果として、1年間の育児休業給付金は
合計170万〜180万円程度
になることが多いです。
実際の振込は 2か月に1回 で、金額も2か月分まとめて入金されます。
社会保険料が全額免除される期間とルール
産休と育休のもうひとつの大きなポイントは、社会保険料(健康保険と厚生年金)が本人負担・会社負担ともに全額免除される ことです。
給与の手取りに限らず、長期の休業で固定費が軽くなることは家計に大きく効いてきます。
免除される期間
- 産前産後休業中
- 育児休業中(子が1歳、1歳6か月、2歳までの育休期間を含む)
ここで重要なのが「月末ルール」です。
月末ルールと14日ルールを押さえておく
社会保険料の免除は、次の2つの基準で判断されます。
月末ルール
月末時点で産休または育休中であれば、その月の社会保険料は全額免除 されます。
このため、月末を育休の状態で迎えるかどうかで、1か月分の保険料の扱いが大きく変わります。
標準報酬月額が高い家庭ほどこの効果は大きく、標準報酬月額50万円前後の場合、1か月あたりの本人負担だけで 3〜4万円 が丸ごと免除されます。
14日ルール(同一月内で育休開始・終了した場合)
令和4年の改正により、同じ月の中で育休が始まり終わってしまう場合でも、
その月の中で育休期間が14日以上あれば、その月の社会保険料は免除
されます。
これにより、復帰日の調整がしやすくなりました。時間単位で復帰時期を調整するより、月末基準か14日以上の基準を満たすかがポイントです。
産休・育休全体で、どのタイミングでいくら振り込まれるか
最後に、産前休業開始から育休終了までの流れを、「実際の振込タイミング」と金額のイメージでまとめます。出産日は明記しませんが、今回のケースでは春先に出産がある前提で進めています。
産前休業開始〜産後休業終了
- 出産手当金
→ 60万〜65万円程度
→ 振込:産後休業終了から数か月後
育児休業開始〜6か月
- 育休給付金(67%)
→ 月20万円前後 × 6か月 = 約120万円
→ 振込:2か月ごとに約40万円前後
育児休業開始7か月目〜1歳到達前日まで
- 育休給付金(50%)
→ 月15万円前後 × 数か月
→ 振込:2か月ごとに約30万円前後
社会保険料
- 産休開始〜育休終了まで
→ 健康保険・厚生年金の保険料 全額免除
→ 月末の状態によって免除が確定
→ 標準報酬月額が高い場合、家計への効果は年間数十万円規模
おわりに
いざ実際に整理してみると、産休・育休期間中の金銭面は「手当」と「免除」の二本柱で成り立っていることがよく分かります。特に社会保険料の免除は、最初はあまり目が向きにくいものの、標準報酬月額が高い場合は大きな家計改善効果があります。
「月末ルール」や「14日ルール」は復帰日を調整するときの大事なポイントになります。育休の取り方や働き方を考える際、こういった制度も一緒に押さえておくと、無理のない家計設計につながるかと思います。


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