ファイナンシャルプランナーの資格を、どう実生活に活かすか

社会保険

独立を考える以前から、私は何となくファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得していました。
最初に取ったのはFP3級で、もうかなり昔、20代後半の頃だったと思います。

当時、資格の予備校TACで8,000円くらいのFP3級講座があり、それを受講しました。
正直に言うと、主目的は講義そのものではなく、受講期間中は自習室が使い放題だったことです。
1Kのアパートに住んでいて、自宅ではあまり集中できず、近くに落ち着けるカフェもありませんでした。通勤定期で池袋まで行けたこともあり、「せっかくだから」という理由でTACの池袋校に通い始めました。

今振り返ると、なかなか不純な動機ですが、FP3級の講義は意外にも面白く、結果として非常に勉強になりました。

FP3級で「世の中の見え方」が変わった

特に印象に残っているのは、年金の計算や、投資信託の特別分配金と普通分配金の違い、国債には固定金利と変動金利があるという点です。

それまで、年金は「将来もらえるらしいもの」、投資信託は「よく分からないが増えるかもしれないもの」、国債は「銀行の人に勧められるもの」くらいの認識でした。
FP3級の勉強を通じて、それぞれの仕組みを数値で理解できるようになり、ぼんやりとした不安が、かなり具体的な計算に置き換わりました。

たとえば年金であれば、今の時点で65歳時点にどのくらいもらえそうかを自分で試算できます。
そうすると、「仮に自分が死んだ場合、遺族年金はいくら支給されるのか」「足りない部分は貯蓄で賄うのか、保険で補うのか」といった思考に自然と進みます。

遺族年金は、思っていたよりも金額が大きい、ということも数字で理解できました。

FP2級・1級は「勉強としては良い」

FP3級に合格した後、講師から「このままFP2級も受けてみてください。FP3級に合格していれば、たぶん4割は取れています。あと2割積むだけです」と言われたのを覚えています。

その言葉に乗せられてFP2級に挑戦しようとしましたが、受講料が7万円ほどに跳ね上がり、当時はそこまでお金をかけることに抵抗がありました。
結果として、テキストを揃えて独学で勉強することにしました。

当時はスマートフォンの学習アプリも充実していなかったので、テキストを分野ごとに裁断し、通勤時間に読む、早めに問題を解く、というやり方で3か月ほど勉強し、FP2級にも合格しました。

結婚後は、妻が公認会計士の勉強をしていたこともあり、その時間に私も何か勉強しようと思い、FP1級にも挑戦しました。
FP1級は需要が少ないせいか、予備校講座は20万円前後と高額で、これも独学にしました。1度は落ちましたが、再受験で合格しています。

ただ、正直に言うと、実生活で最も役に立ったのはFP3級の知識です。
FP2級や1級は、体系的な理解を深めるには良いですが、「生活が変わった」という実感はFP3級が一番大きかったように思います。

実生活で活きた具体例

FP3級の知識が役に立った場面はいくつもあります。

たとえば、必要以上に保険に入らなくて済みました。
年金や遺族年金の仕組みを理解したうえで考えると、「この保障は本当に必要か」「これは過剰ではないか」と冷静に判断できます。

私自身、これから子どもが生まれるというステータスであるにもかかわらず、掛け捨ての生命保険すら加入していませんが、自分の頭で考えて判断できた結果だと思っています。

また、金融機関から勧められやすい毎月分配型の投資信託も避けることができました。
特別分配金が元本の払い戻しに過ぎない、という仕組みを知っていれば、「毎月お金がもらえる」という表現に過度な魅力を感じなくなります。

国債についても、銀行預金よりもリスクが低く、条件次第では利率が良いことを理解できました。
これらは、すべてFP3級の範囲で学べる内容です。

今振り返って思うこと

現在は税理士として仕事をしていますが、今振り返っても、FP3級は「お金の勉強の第一歩」として非常にコスパの良い資格だと思います。
金融リテラシーを体系的に身につける、という意味では、これ以上に手軽で実用的なものはあまりありません。

もちろん、資格を取っただけで生活が変わるわけではありません。
どこまで知識を実生活に落とし込むかによって、パフォーマンスは大きく変わります。

ただ、「仕組みを知らない状態」で判断するのと、「最低限の仕組みを理解したうえで」判断するのとでは、その後の選択はかなり違ってくるはずです。

人生において、お金に関する論点にぶち当たった際に、FP3級で学んだことが記憶のフックにあれば、生成AIと壁打ちするなどして自分なりの回答を導き出せると思います。このフック自体を作る作業が勉強とも言えるのかもしれません。

FP3級は、そのフックを作るために有用な資格だと思います。
これからFPを取ろうか迷っている社会人の方であれば、まずはFP3級から始めてみる価値は、十分にあるのではないでしょうか。

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