「直感を信じろ!」
そんなふうに言われることがあります。仕事でも恋愛でも、「最初にピンときたものが正しい」「直感は侮れない」などと言われると、なんとなく「そうかもしれない」と思ってしまいます。でも、実際のところ、直感はそんなに当たるものなのでしょうか。
少なくとも、私は自分の直感をあまり信用していません。なぜなら、これまでことごとく外れてきたからです。むしろ、直感を信じれば信じるほど迷走している気がします。そんな経験から、「そもそも直感は本当に正しいのか」ということについて、少し考えてみたいと思います。
直感が当たるのは、生存バイアスのせいかもしれない
直感が正しかった経験は、すごく印象に残りやすいものです。
・初めて会ったときに「この人とは気が合いそう!」と思ったら、親友になった。
・なんとなく「この仕事うまくいく気がする!」と思ったら、本当に成功した。
こういう「当たった直感」だけを覚えていると、「やっぱり直感はすごい!」と思いがちです。でも、冷静に考えると、外れた直感のほうが多いのではないでしょうか?
「この人、ビビビときた!」→ 数ヶ月後、「ただの勘違いだった…」
「このお店、絶対美味しい気がする!」→ 一口目で、「あれ、普通…?」
直感が当たったケースだけを記憶して、外れたケースを忘れているだけかもしれません。これは生存バイアスで、成功したものだけが目立ち、失敗したものは分母から除外される現象です。
つまり、「直感は当たる」と思っている人の多くは、単に外れた直感を無意識に忘れているだけではないかと思います。
私の直感は9割外れる
実際、私は自分の直感があまり当たらないと感じています。
特に、異性関係においてそれは顕著でした。
例えば、「この人、素敵な方かも!」と直感的に思った相手にアプローチしたものの、数回会ううちに「いやいや、上辺しか見てなかった…」と冷静になることが多かったです。逆に、「なんかよく分からない人だな…」と思っていた相手と会う回数を重ねるうちに、「あれ?意外といい人かも」と気づき、最終的に結婚まで至ったこともあります。今の妻です。
また、飲食店選びでも直感はよく外れます。
街を歩いていて、「このお店、外観がいい感じだし、直感的に絶対美味しいに違いない!」と思って意気込んで入店。しかし、実際に食べてみると、なんとも言えない味… しかも値段は微妙に高い。お会計のときに「なんか納得いかない…」と思いながら店を出ることも珍しくありません。
この経験から、「直感は第一印象や雰囲気に大きく左右される」と思うようになりました。第一印象は大事ですが、それだけで本質を見抜くのは難しいと感じます。
直感についての測定、日記書きの習慣
じゃあ、直感は完全に信用できないのか? というと、そうでもないと思います。
直感は、過去の経験や知識の積み重ねから生まれるものです。でも、それが本当に正しいかどうかを確認する仕組みがないと、間違った直感に振り回されることになりそうです。
私は、日記書きの習慣があります。
毎朝、モーニングノートとゼロ秒思考の折衷案的な感じで、思いついたことをひたすら書き殴っています。その中には、直感的に思ったことも含まれます。
そして、数ヶ月後にそれを見返すと…
「え? こんなこと思ってたの?」
「この直感、見事に外れてるやん…」
と、冷静にツッコミを入れることが多いです。逆に、客観的なデータや長期的な思考をもとに判断したことのほうが、意外と的を射ていると感じることが増えました。
直感は大事だけど、あくまで参考程度にする(私の場合)
- 直感が当たることもあるが、生存バイアスの影響があるかもしれない。
- 直感だけを頼りにすると、思いがけない落とし穴にハマることもある。
- 直感が当たるかどうかを検証する仕組み(例:日記)があると、振り回されにくい。
結局のところ、「直感は大事」だと思います。でも、それを過信するのは危険かもしれません。
直感が働いたら、それを一旦受け止めつつ、「本当にそうか?」と検証するクセをつけるのがよいのではないかと思います。
「ビビビッ!」ときた瞬間に行動するのもいいですが、その前に「ちょっと待てよ…」と一歩引いて考えてみる。そんな習慣をつけるだけで、人生の不合理な選択は少し減るかもしれません。
私はこれからも日記を書き続け、自分の直感が本当に信用できるのか、じっくり観察していこうと思います。さて、今日の直感は当たるのか、それとも…たぶん、また外れる気がします。
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