通勤時間が長いのは美徳なのか

通勤時間って、人生の無駄?それとも修行?

サラリーマンや公務員にとって、通勤時間は切っても切れない問題です。短いに越したことはないとわかってはいても、なぜか1時間以上かけて通勤するのが「普通」になっている人も多いと思います。私も長年公務員として通勤していますが、通勤時間については「これ、本当に必要な時間なんだろうか」と常々思っています。


和光市時代──通勤とQOLのバランス

20代の専科研修時代から東京国税局勤務の前半までは、埼玉県の和光市に住んでいました。理由はシンプルで、通勤時間を短くしたかったからです。

専科研修中は、職場が目の前にあるという夢のような環境でした。朝はギリギリまで寝ていられますし、仕事が終わったらすぐに帰宅できる。寮生を家に招いてワイワイすることもできました。

東京国税局勤務になってからはさすがに少し距離がありましたが、それでも和光市駅始発の有楽町線に乗れば、座って月島まで行けて、そこから2駅で築地市場駅。新富町で降りて歩くこともでき、気分転換にルートを変えるのも楽しかったです。


人形町時代

東京国税局勤務の中盤から霞が関勤務の途中までは、人形町に住んでいました。理由は二つあり、「職場に近いこと」と、「なんとなくモテそうな気がしたこと」です。後者の理由については深く追求しないでいただければと思います。

実際、人形町のアクセスは最高でした。日比谷線に乗れば霞が関まで数駅、東日本橋駅から都営浅草線を使えば東銀座まで一直線。つまり、満員電車と戦う時間が圧倒的に短かったのです。

住環境も快適でした。同じマンションの住人は年齢や職業が近い人が多く、マナーも良かったです。そして何より、飲食店が多く、仕事帰りにフラッと立ち寄るのに最高の立地でした。気がつけば色々な知り合いが増え、その中には独立後の最初のお客様になりそうな人もいます。人脈づくりにも最適な場所だったなと、今になって思います。


通勤時間が短いのは「けしからん」?

そんな快適な人形町生活の中、職場の上司から「通勤時間が短いのはけしからん」的なことを言われたことがありました。いやいや、なぜ? と思いますよね。私も思いました。

当時の上司たちは、多くが遠方から2時間近くかけて出勤していました。17時30分に退社しても、家に着くのは20時前後。一方、私は17時30分に退社すれば18時には自宅に到着。どうやらこれが気に食わなかったようです。

昔の価値観では「通勤時間も仕事のうち」だったように思えます。昭和の時代から続く「郊外に一戸建てを買い、長距離通勤するのが一家の大黒柱のロールモデル」という考え方も影響していたのでしょうか。

さらに、国税の職場では「長時間労働が美徳」「税務調査で成果を出している人ほど残業が増える」といった暗黙のルールがありました。今もあるかもしれませんが。そのため、定時で帰れる=仕事が少ない=成果を出していない=無能、という図式が成り立っていたのです。今でもこの考えには納得していません。


通勤時間をどう過ごすか

「通勤時間を有効活用しよう!」とよく言われます。たしかに、電車の中で読書をしたり、勉強をしたりするのは有意義です。でも、それなら最初から通勤時間を減らして、その時間をもっと自由に使うほうがいいのでは?と思ってしまいます。

私は、通勤時間は短いに越したことはないと考えています。満員電車に揺られている時間は、正直ストレスでしかありません。職場に着いた時点でどっと疲れを感じるくらいなら、通勤時間を削減して、そのエネルギーをもっと大事なことに使いたいです。


独立後の通勤戦略

これから税理士として独立するにあたり、事務所の場所も自分で決めることができます。もちろん、通勤時間はできるだけ短くしたいので、いくつかの選択肢を考えています。

  1. 自宅兼事務所にする
    妻がリモートワークを続けるなら、さすがに家で仕事をするのは厳しいかもしれません。でも、出勤がメインになるなら、自宅兼事務所にするのもアリです。
  2. 妻の職場に近いエリアに引っ越す
    私の仕事は場所を選べるので、妻の通勤の便を優先しつつ、私は自宅兼事務所にする方法も考えています。
  3. コワーキングスペースを利用する
    いきなり事務所を構えるのも大変なので、必要なときだけコワーキングスペースを利用するのも良さそうです。

どの選択肢を取るにせよ、公務員宿舎を出ることは決まっているので、引っ越しは避けられません。これまでの経験を活かし、「通勤時間の短縮」と「生活の快適さ」のバランスをしっかり考えていきたいと思います。


まとめに代えて

通勤時間は、人生の中で意外と大きな割合を占めます。長時間通勤が当たり前の環境にいると、それが普通のことのように思えてしまいますが、本当にそれでいいのか?と考えることも大事だと思います。

私は今後、通勤時間をなるべく短くし、その分をもっと有意義なことに使っていきたいです。独立後の生活はまだ模索中ですが、ひとつだけ確実なのは、「もう通勤ラッシュとはおさらばしたい」ということです。

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