以前にも記事にしましたが、Xの質問箱などで、現役国税職員の方から開業や転職に関する相談をいただくことが増えました。私自身のラストイヤーの肌感としても、今の20代〜30代では「定年まで国税の職場で働く」と最初から決めている人は、以前より少ない印象です。
とりあえず税理士試験の簿記論・財務諸表論を勉強してみる人、BIG4系の税理士法人への転職を視野に入れる人など、選択肢を複数持ちながら動いている人が目立ちます。これは、職場への忠誠心が薄れたというより、時代の変化として自然なことだと思います。
「安定しているから一生そこにいる」という考え方が、以前ほど強い説得力を持たなくなっています。嫌々続けるより、合わなければ出る、という判断がしやすくなったのは、良い変化だと感じます。
公務員は出戻りしにくい。それでも動こうとする人が増えている
民間と比べると、公務員は一度離れるとほぼ出戻りは不可能です。この点は、転職や独立を考えるときの心理的なハードルになりやすいと思います。
それでも、「今のままではだめだ」「自分で動かないと状況は変わらない」と感じている人は、実際に多い印象です。この感覚はとても健全です。なぜなら、残るにしても辞めるにしても、自分で選んだ実感があるかどうかで、働き方の納得感がかなり変わるからです。
ここで大事なのは、すぐ辞表を書くことではなく、情報を取りに行くことだと思います。選択肢が見えないまま悩むのが一番つらいからです。
アラフォー同期の転職事例を見ると、後悔している人はほぼいない
私の世代、いわゆるアラフォーの同期でも、転職した人はそれなりにいます。年齢的に節目を感じやすい時期でもあり、仕事や人生の方向性を見直す人が増えるのは自然だと思います。
話を聞くと、仕事の質が大きく変わった人、仕事量が増えた人は多いです。ただ、その一方で、年収は比較的早い段階で前職を超えたという話を多く聞きます。少なくとも私の観測範囲では、「転職して強く後悔している」という人より、「大変だが転職してよかった」という人のほうが多い印象です。
多い転職先は、やはりBIG4系の税理士法人です。税理士資格や科目合格がなくても転職できている例もありますし、USCPA(米国公認会計士)を取ってから動く人も見かけます。国税での実務経験が、一定の評価を受けやすい場面はあるのだと思います。
転職だけが答えではない。資格や副業で身軽になる道もある
キャリアの選択肢は、転職と独立だけではありません。他の士業資格を取って、税理士とのダブルライセンスで活動している人もいます。弁護士、社労士、不動産鑑定士など、組み合わせ方は人それぞれです。
また、公務員でも条件の範囲内で認められる副収入の道として、不動産を持っている人もいます。本業の給与を上回る収入がある人もいて、「いつでも辞められる」という心理的な余裕につながっているようでした。
ここで共通しているのは、何の道を選ぶかより、「今の職場だけに依存しない状態」を少しずつ作っていることです。国税に限らず、会社員として働くうえでも、この身軽さはかなり重要だと思います。
まずやるなら「転職活動」ではなく「転職市場の確認」でもいい
私自身は転職ではなく独立を選びましたが、転職活動そのものは経験しました。具体的には、転職エージェント(私が登録したのは私自身は転職ではなく独立を選びましたが、転職活動そのものは経験しました。具体的には、転職エージェントに登録(ちなみに、私が登録したのは「JACリクルートメント」です。)して、面談を行い、自分にどんな求人があるのか、どのくらいの年収レンジが見込まれるのかを見に行きました。
この経験はかなり有益でした。実際に辞めるかどうかは別として、自分の市場での見られ方が分かるからです。思っていたより評価される点もあれば、逆に弱い点(公務員の場合、マネジメント経験の無さが弱い点になりがちのようです。)も見えます。
自分も当時は少し迷いましたが、動いてみてよかったと思っています。転職にはリスクがありますが、転職市場を知ること自体のリスクはほぼゼロです。現役国税職員の方で、「このまま俺、私はこの場所に居るべきではないと思う。しかし何から手をつければいいか分からない」という人は、まず転職エージェントに登録して情報を取る、という一手はかなり現実的だと思います。

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