17年前のブログと一冊の本が、今の自分を作っていた

国税職員

国税の職場に入る前、簿記や会計を理解するために助けられた当時のネット記事と書籍について、ふと懐かしくなったので書き残しておきます。

2009年、情報源としての個人ブログ

私が国税に入庁したのは2009年4月なので、もう17年前になります。月日が経つのは早いものです。

当時のSNSはmixiやFacebookが中心で、Twitterを使っている人はまだ少数派でした。Twitterも本来の趣旨どおり、140字以内で各人が好きなことをつぶやくツールでした。今のように情報収集の場という色合いは薄かったように思います。

そのため、はてなブログをはじめとした個人ブログが、かなりの情報源になっていました。当時よく見ていたブログがまだ残っているか気になって検索してみたところ、ありました。「はっしゅ」さんという方が書かれているブログです。

簿記2級合格を支えた一本の記事

そのブログの中で、特にお世話になったのが「独学で効率よく簿記三&二級に合格するための僕の方法」という記事です。

書かれたのは2008年12月。ちょうど国税に内定が決まり、単位も取り終わって、残すは卒論のみという大学4年生のモラトリアム期間に、ネットサーフィンの途中でたどり着きました。

国税の職場に入って最初の3か月は専門官基礎研修があり、当時は研修期間中に日商簿記2級を取得することが新入職員の一つの目標になっていました。私は4月以降、この記事に書かれているとおりに勉強を進め、6月の試験で合格できました。

令和の情報社会では、簿記2級の勉強法に関する情報は山のようにあります。動画も記事もSNSの投稿も、玉石混交でスマホをスクロールするだけで疲れてしまいそうです。当時は、簿記の勉強方法について、これほどピンポイントで分かりやすく書いてくれている記事が他になかったように記憶しています。

だからこそ、書かれたとおりに迷わず実行できたのかもしれません。他に浮気できるような選択肢がなかった、という言い方もできそうです。情報が少ないことが、かえって行動を後押しすることもあるのだと、今になって思います。

『財務3表一体理解法』との出会い

もう一つ、同じはっしゅさんのブログで存在を知った本があります。國貞克則さんの『財務3表一体理解法』です。今は新版が出ていますが、2007年5月に原著が出版されています。

この本は、今読んでも本当に素晴らしい一冊です。財務諸表に対する解像度が、一気にクリアになります。最近Kindleで買い直して改めて読んだのですが、書籍内の図解が分かりやすく、損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書のつながりが頭の中で立体的に組み上がっていく感覚があります。

国税の専門官基礎研修で必読書にしてもいいのではないか。読み返しながら、そんなことを感じました。実際の調査現場で財務諸表を見るときの土台になる一冊だと思います。

当時の蓄積が今につながっている

こうして振り返ると、一本のブログ記事と一冊の本が、その後の自分の仕事の土台になっていたことに気づきます。

入庁前のあの数か月、研修中の3か月、そして簿記2級に合格したあの日。そこで得たものが、今の税理士としての仕事の出発点になっていると思うと、感慨深いものがあります。

情報が少なかったからこそ、一つの良質な情報源に深く向き合えた。そういう時代の学び方も、悪くなかったのかもしれません。

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