今回は、国税職員(というか、おそらく全公務員共通)の 人事評価制度 について語っていきたいと思います。
公務員の人事評価と聞くと、「あれって実際どれくらい意味あるの?」と思う方も多いでしょう。 結論から言うと、まあ、微妙。 もちろん、制度としては立派に存在しているのですが、実際の運用となると、「これ、誰のための評価なんだろう……?」と首をかしげたくなることもしばしば。
そんなわけで、 国税職員の人事評価の謎ポイント について早速みていきましょう。
業務目標を立てるタイミングがズレすぎ問題
まず、公務員の人事評価では、1年を 4月~9月、10月~3月 の2期に分け、それぞれの業務目標を設定することになっています。
で、問題なのが、 4月~9月の業務目標を3月に、10月~3月の業務目標を9月に決める という方式です。
国税の職場では、 6月下旬に異動内示が出て、7月10日に一斉異動 というスケジュール。つまり、 4月~9月の業務目標を決めた直後に異動する可能性が高い わけです。
異動したら、当然ながら担当する業務は変わります。となると、 「業務目標って何だったんだっけ?」 という気持ちになるのは避けられません。
一応、「異動後の業務目標は、最初に設定したもの以外の取り組んだことを書く」みたいな謎の欄はあるのですが、そもそも 異動先の上司は異動前の業務を一切見ていない ので、4月~6月の頑張りをどう評価するのかという問題が発生します。
いやもう、最初からこの時期に評価するの無理あるでしょ。
自己申告の「達成度」は、結局のところ主観
評価の際には、 自分で「この目標を達成できたかどうか」を自己申告 することになります。
ここで問題なのが、 どこまで正直に書くべきか問題。
自分に厳しいタイプの人は、「これはできなかった」「これは不十分だった」と、かなり真面目に書いてしまうかもしれません。一方で、大半の人は 当初設定した目標すら忘れていて、自己申告のタイミングで「あぁそういやこんな目標設定してたな」となる。 多分。
そして、「~した結果、目標を達成することができた」と、無難な感じで書くことになるでしょう。
達成できなかったと馬鹿正直に書くと、 上司側も「いやいや、それは達成できたことにしてくれよ……」と思う という、なんとも微妙な空気になることがあります。
しかも、業務目標には 「部署の共通目標」 を必ず入れる必要があり、さらに 「重要度・困難度の高い目標」にはフラグを立てる という、なんとも小賢しい制度になっています。
もう、評価される側としては、 「何かしら工夫してそれっぽく見せるゲーム」に付き合わされている気分です。
評価の開示、「希望する」or「希望しない」問題
さて、評価結果を 「開示希望する」or「希望しない」 を選ぶ場面がやってきます。
最近は 「開示希望する」方がトレンド のようです。けん制効果というか、評価される側としては「ちゃんと見てますよ」という意思表示になるからでしょうか。
しかし、平成の時代はちょっと違いました。
実際、私が若かりし頃、ある上司に「これって開示希望しない方がいいんですかね?」と聞いたことがあります。
すると、当時退官を控えた統括が一言。
「そうだねぇ、僕ももう1年だから、つつがなく過ごしたいからねぇ」
……察しました。以降、 私はずっと「希望しない」派 です。
ちなみに、同期で「開示希望する」を選んだ人がいたのですが、その直属の上司は めちゃくちゃ嫌そうな顔 をしながら評価を伝えたそうです。
「いや、そんな露骨に嫌な顔するなら、評価制度やめれば?」と、思わず突っ込みたくなりますよね。
評価と昇給の関係は、あまりない(ような気がする)
さて、評価が良ければ給料が上がるのか?
これについては、 正直よくわかりません。
例えば、人事評価で最高ランクの 「S評価」 をもらった人が、 昇給4号俸(ごく普通) だったりすることもあります。逆に、 普通の評価だったのに8号俸上がった なんてケースも。
私自身、4号俸しか上がらなかったこともあれば、8号俸上がったこともありました。霞が関勤務のときは だいたい6号俸 だったような気がします。
つまり、 評価が良ければ給料が上がる……とは限らない。 というか、 ポジショニングの方が重要です。部署ごとにS評価・A評価の枠がなんとなく決まっている気がします。
結局、気楽にいこう
そんなわけで、国税職員の人事評価というのは、 いろいろと微妙な点が多い わけです。
制度としてはあるけど、運用はズレてるし、評価の基準も曖昧。給料への影響もハッキリしない。
……となると、 あんまり気にしない方が精神的に楽 なのかもしれません。
「評価って何のためにあるんだろう?」
そんな疑問は尽きませんが、 結局のところ、あまり深く考えずに、やることやって、気楽に過ごすのが一番なのかもしれませんね。
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