国税庁のオンラインツールQ&Aが令和8年7月に改訂――詐欺メール対策と提出データの管理が追加

税務調査

国税庁は令和7年10月以降、税務調査などの場面でオンラインツールの利用を順次始めています。使われるのは、インターネットメール、Web会議システム(Microsoft Teams)、オンラインストレージ(PrimeDrive)、アンケート作成ツール(Microsoft Forms)の4つです。

この取組に関するQ&Aは令和7年11月に公表されました。令和8年6月の改訂に続き、令和8年7月13日、再び改訂版が公表されています。今回は7月改訂で追加・更新された問いを中心に確認していきます。

追加された問い:詐欺メールの見分け方と提出データの管理

追加されたのは問12と問21の2つです。

問12は、税務署を名乗る詐欺メールとの見分け方です。税務署等の職員が使うメールアドレスのドメインは「nta.go.jp」に限られており、他のドメインが使われることはありません。「go.jp」は日本の政府機関などしか取得できないドメインです。税務署からのメールかどうか迷ったら、まずドメインを確認することになります。私自身は、ドメインの確認だけで安心してよいか少し迷いますが、公式に判断基準が示されたこと自体には意味があると感じました。

問21は、税務調査等で提出した電子データの管理方法です。提出されたデータは行政文書管理規則等に従って管理されます。保存期間が満了したものは消去され、アクセス権限の設定に加え、必要に応じてパスワード設定や暗号化が行われます。記録媒体に保存するデータには原則として暗号化処理を施し、保存の必要がなくなり次第消去するとされています。

更新された問い:利用場面とデータの提出手段

問1、問2、問20が更新されています。

問1では、オンラインツールを利用する場面が整理されました。関係民間団体や調達の契約事業者との連絡のほか、税務調査、行政指導、滞納整理、査察調査等の過程で、国税当局の判断により必要に応じて利用するとされています。

問2では、税務調査が全てオンラインになるわけではないことが改めて示されています。調査は臨場が原則です。オンラインツールは、連絡や資料提出の手段として部分的に使われるにとどまります。また、利用には納税者側と税務署側の双方の合意が必要です。同意事項に同意した後でも、個々のやり取りごとに利用を断ることができます。

問20では、電子データを税務署等に提出する手段がまとめられました。メールの場合は本文と添付ファイル合わせて1送信20MBまでで、送信履歴から提出内容を後から確認できます。PrimeDriveは1ファイル1.9GB、最大20ファイルまでですが、担当者がダウンロード後にデータを削除するため、事後の確認はできません。e-TaxはPDF形式で合計14MB、CSV形式で合計8MBまでで、送信データを後からダウンロードすることはできません。提出後に手元で内容を確認できるのはメールだけです。提出前に控えを残しておくことが大切になります。

なお、申告書や届出書等は、従来どおり書面またはe-Taxでの提出が必要です。メールやPrimeDriveでは提出できません。

局ごとの登録フォームが掲載されました

オンラインツールの利用には、Microsoft Formsからメールアドレス等を登録する必要があります。国税庁ホームページの案内ページには、国税局ごとの登録フォームの案内が掲載されました。現時点で掲載されているのは、仙台国税局、金沢国税局、福岡国税局、熊本国税局、沖縄国税事務所の5局署です。その他の局は「準備中」とされています。

同ページによれば、令和8年6月1日現在、この5局署で利用が開始されています。東京国税局管内はまだ準備中のため、実際に案内を受けるのはもう少し先になりそうです。

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