国税庁のホームページには、長く「お酒に関する情報」というページがありました。そこに、適度な飲酒をすすめるような記述が載っていました。
具体的には、次のような文章です。
「酒は百薬の長」という言葉もあるように、昔から適度な飲酒は心身によい影響を与えることが広く知られています。飲酒は、精神のストレスを和らげ、血行を促進し食欲を増進するなど健康を守るうえで、一定の効果を生むものと考えられます
この記述が、近年削除されました。理由について国税庁は、情報が古く、現状とは違う内容も含まれていたので見直した、と説明しているようです。特段大きな意味はない、という説明です。
国税庁は酒税を扱い、酒類業界の振興も所管しています。お酒と縁の深い役所です。その役所が、自ら「適度な飲酒は体によい」と書いていたわけです。
ただ、ここ数年でお酒に対する社会の見方は変わってきました。適量であっても健康へのリスクはある、という考え方が広がっています。「適量なら体によい」という前提そのものが、今は揺らいでいます。削除は、その流れに沿ったものなのだろうと思います。
酒にまつわる不祥事のこと
お酒にまつわる不祥事も、たびたび報じられます。最近では、酔って入った飲食店で情報を漏らし、停職処分を受けた東京国税局の職員の事件がありました。

もちろん、飲酒とは関係のない不祥事も多々あります。ただ、お酒が絡むと判断がゆるみ、普段とは異なる(本来思っていた?)言動があり、このような不祥事に繋がるのかと思います。
国税の職場にあったムラ社会的同調圧力
ここからは、私が国税にいたころに感じていたことです。
国税の職場に限らないのかもしれませんが、お酒の場は二次会、三次会まで付き合い、翌日は這ってでも出勤する。それが美徳とされる空気がありました。
遅くまで飲んで、睡眠を削って、それでも翌朝は何事もなかったように早めに出社して働く。そういう人が「さすが◯◯さんだ」と一目置かれる。そんな雰囲気が昔からありました。
少し考えると、おかしな話です。お酒の場に出なくても、毎日きちんと出勤して仕事をしている人もいます。その人も、職場にとっては同じように大事なはずです。それなのに、若い人から好評なのは我慢比べに勝った人です。
正直に書くと、私自身もその姿に憧れていました。翌日に二日酔いを残しながら、平気なふりをして痩せ我慢をする。そんなことをしていた時期があります。20代から30代前半のころの話です。
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税理士になって、その文化から離れた
今の現役職員、特に40歳前後の人たちは、こうした文化からもう離れているのだろうと思います。私が見ていたのは、あくまで一昔前の風景かもしれません。
それでも、あの我慢比べの空気から離れられたことは、勤め人をやめてよかったことの一つだと感じています。
税理士会の会合に出ると、雰囲気はだいぶ違います。集まるのは、それぞれが個人事業主であったり、税理士法人の代表や社員であったりします。立場が対等です。誰かに同調圧力をかける必要も、かけられる理由もあまりありません。同じお酒の場でも、ずいぶん気楽です。
今週金曜は内示
今週の金曜日、6月26日は、国税職員の異動の内示です。
この前後は、「解散会」という名目の集まりが各地で開かれます。内示の結果次第で、気持ちが荒れる職員も、たまにいます。
お酒の量も増えやすい時期です。内示をきっかけに、事件や事故が起きなければよいと思っています。
