よりセンセーショナルでないほうの味方でありたい

考え

自分の人生の指針の一つに、「よりセンセーショナルでないほうの味方でありたい」というものがあります。

もとをたどると、東日本大震災のあとに見かけた、コピーライターの糸井重里さんの投稿にたどり着きます。当時のTwitterには、被害の情報をはじめ、不安を煽るような投稿が多く流れていました。そのなかで糸井さんは、参考にする意見の選び方について、次のように書いていました。

ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そして「よりユーモアのあるほう」を選びます。

「センセーショナル」という言葉こそ使われていませんが、当時の自分には、この姿勢が強く刺さり、勝手に短縮・要約して人生の指針の1つとさせていただいております。

SNSの構造は変わっていない

あれから十年以上が経ちました。それでも状況は、あまり変わっていないように見えます。むしろ、過激な投稿で注目を集める動きは、強まっているかもしれません。

背景には、SNSで収益を得る手段が増えたことがあると思います。表示回数がそのまま数字につながる仕組みがあれば、人はより刺激の強い言葉を選びがちになります。ある意味で、避けにくい流れなのかもしれません。

だからこそ、こういう時代には、よりセンセーショナルでないほうの情報を自分から取りに行く姿勢が大事だと思います。刺激の強い投稿は、放っておいても向こうから流れてきます。地味で正確な情報は、たいてい自分で探しにいかないと届きません。どちらを参考にするかは、最後は受け取る側が選ぶことです。

税の世界にも同じことが言える

「何でも経費にできる」「誰も知らない節税」。こうした言葉は、たしかに目を引きます。ただ、私はこういう言い方をしたくありません。そして多くの場合、そんな都合のよい方法は存在しないと考えています。

センセーショナルに語られる節税を自分から選ぶと、あとで税務署に否認されるかもしれないという不安が残ります。その心配に脳のリソースを取られるのは、もったいないと感じてしまいます。

しかも、SNSで見かけた手法をそのまま使って否認されても、発信した人が損失を賠償してくれるわけではありません。最後は自分の責任になります。それならば、そもそもそういう危うい方法に手を出さずに済むほうがいいと私は考えています。

そもそも節税から考えない

では、会社にお金を残すには何がベストなのか。私は、節税のことをいったん脇に置いて、売上を伸ばすことだと考えています。

節税と呼ばれるものの多くは、支払う時期をずらしたり、別の負担と引き換えにしたりしているだけです。手元に残るお金を大きく増やす力は、思うほど強くありません。一方で、売上が伸びれば、税負担が増えたとしても、最終的に会社に残るお金は増えていきます。

買う節税より、買わない節税
節税の話題になると、必ずと言っていいほど出てくるのが、高級車や高級腕時計を法人や個人事業の資産として購入する手法です。確かに、プライベートで購入すれば一円も経費になりませんが、事業の資産として購入すれば、減価償却の手続きを通じて耐用年数にわ…

ただ、これを言っても、ほとんど刺さりません。地味ですし、すぐに実行できるものでもないからです。「経費」という言葉のほうが、自分の手元で調整できそうな感じがあるのだと思います。

ここからは私見です。経費に入る入らないに強くこだわる方は、売上を伸ばすという本丸から、少し目をそらしてしまっている面があるように感じます。もちろん、経費を整理すること自体は大事な仕事です。ただ、そこだけを見ていても、事業そのものが大きくなるわけではありません。

税の情報に触れるときも、「よりセンセーショナルでない情報」を選びたいと思っています。

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