内示の日に届くLINE
昨日は、財務省系の省庁で人事異動の内示があった日でした。私のもとにも、現役の国税職員の方から「どこそこへ異動になりました」というLINEが何件か届きました。
税務職員にとって、内示の日は一年のなかでもかなり意味のある一日です。一般の会社員の方にとっての異動と比べても、その比重は大きいかもしれません。国税の職員は、数年ごとに勤務する局署が変わるのが当たり前です。引っ越しを伴うこともあります。どこへ移るかで、その後数年の生活そのものが変わります。だからこそ、内示を待つ気持ちには独特の張り詰めたものがあります。
内示の日の職場の空気
内示は、多くの場合、午前11時ごろから順に伝えられていきます。誰がどこへ動くのかが、午前のうちに少しずつ明らかになっていきます。
その後の職場は、どこかそわそわしています。午後はほとんど仕事にならない職員が多かったように思います。仕事が手につかないというより、頭のなかが異動のことで一杯になってしまう、という感覚に近いです。
そこから先は、慌ただしい二週間が始まります。異動する人は多くの場合引き継ぎの資料をまとめ、残る人は後任を迎える準備をします。送別の段取りも動き出します。内示から実際の異動までの期間は短く、毎年この時期はばたばたと過ぎていきました。
私が午後に休みをとっていた理由
私は現役の頃、内示の日は午後に休暇をとることが多くありました。喫緊の業務がある年度は別ですが、それ以外はだいたい半休にしていました。
理由はいくつかあります。まず、午後はどのみち仕事になりません。職場は、誰がどこへ異動したという話でもちきりになります。人の異動も気にならないわけではありませんが、それは正式に決まってからでいいと思っていました。早く知ったところで、こちらにできることは何もありません。
それ以上に、内示を受けたときの気持ちを、一人で静かに噛み締めておきたい、という思いがありました。嬉しいのか、寂しいのか。新しい場所への期待なのか、慣れた職場を離れる名残惜しさなのか。その日の自分の心の動きを、誰かと話すより先に、自分で確かめておきたかったのだと思います。今振り返ると、これが一番大きな理由だった気がします。
午後休に何をしていたか
では、その午後に何をしていたか。
先ほど一人で静かに噛み締めておきたいと言いつつ独身の頃は、なんだかんだで昼から一人で飲みに行くことが多かったです。これからの異動先のこと、これまでのことを、ぼんやり考えていました。ただ、6月までの自分と決別するような時間でした。結婚してからは、午後休とって妻と外食することが多かったです。
後から思えば、その時間が有意義だったかと言われると微妙です。何か生産的なことをしていたわけではありません。ただ、当時の自分にとっては、確かに大事な時間だったような気がします。
現職を離れて
毎年この時期に味わっていたあの落ち着かない感覚も、現職を離れてからはなくなりました。内示を待つこともなければ、知らせを受け取ることもありません。それが少し寂しい気もします。
一方で、7月から地方に転勤、ということもありません。住む場所も働く場所も、自分で決められます。自由ということだと思いますが、自由は飼い慣らすのは難しいとも最近思っています。
しばらくは、自宅兼事務所のこの場所で、変わらず仕事を続けていければと思っています。公務員退職後に初めて迎える6月末も悪くないものです。
