税理士試験のWEB申込みが始まったけれど、課題はまだ多い

税理士独立

令和8年度の税理士試験から、専用サイトでのWEB申込みができるようになりました。

税理士試験WEB申請オフィシャルサイト My Page

実は、これまでもe-Tax(国税の電子申告システム)経由で願書を提出する方法はありました。ただ、手数料が安くなるわけでもなく、ネット上でe-Taxから出願したという報告もほとんど見かけませんでした。正直なところ、税務申告書を出すためのシステムに試験の受験申込みを組み込むというのは、建付けとしてあまりしっくりきていなかったように思います。

今回、従来の郵送申請を残しつつ、税理士試験WEB申請オフィシャルサイトからの申込みという選択肢が新たに加わった形です。令和8事務年度からは次世代システム(KSKシステムの後継)の導入も予定されており、その一環としての整備なのかもしれません。サイトのUIも、ぱっと見る限りわかりやすそうな印象です。

受験生からは早くも不満の声

選択肢が増えたこと自体は歓迎されています。ただ、受験生の間では早くもいくつかのデメリットが指摘されています。

まず、受験料の納付です。WEB申込みなら受験料の支払いまでオンラインで完結するだろうと思いきや、収入印紙を貼って郵送する手順が残っています。ネットで申し込んだのに、結局アナログな作業が発生するわけです。

具体的な流れとしては、サイトから受験申請を行うと、まず申請内容が確認されます。登録内容が承認されると承認のお知らせが届き、そこではじめて手数料貼付台紙を専用サイトからダウンロードできるようになります。この台紙は、申請者の住所や受験科目数などが反映された自分仕様のもので、承認後に個別に発行される書類ということになります。これに収入印紙を貼って送り、受理されてはじめて正式に申込完了となるそうです。

ここで注意したいのが、期限の考え方です。令和8年度の受験申込みの申請期限は令和8年5月8日とされていますが、これはあくまでWEB上で申請を行う期限であって、台紙を送付するまでの期限ではありません。逆にいえば、5月8日までにWEB申請さえ済ませてしまえば、その後の台紙郵送が多少後ろにずれ込んでも、間に合う余地があるということになります。印紙の準備が直前まで整わなくても、まずは申請だけでも先に済ませておくのが安全です。

万人共通かどうかは確認できていませんが、うちの妻のケースでは、台紙の郵送期限は5月29日必着・郵送のみでした。WEB申請を済ませた段階で気が抜けて、収入印紙の購入や郵送をうっかり後回しにすると、必着に間に合わない可能性があります。自分も横で手続きを見ていて「ここでまた郵送なのか」と少し戸惑いました。

次に、受験票の問題です。WEB申込みの場合、受験票はA4サイズで自分で印刷する必要があります。税理士試験は机のスペースが限られています。問題用紙、解答用紙、電卓を置くだけでもぎりぎりという状況で、A4の受験票はかなり邪魔になります。従来の紙での願書申請であればハガキサイズの受験票が届くので、そちらのほうが試験中の取り回しは楽です。

WEB化の恩恵と、残る「税理士試験らしさ」

ネット上の反応を見ていると、「WEB申込みができるようになったのはいいけれど、結局そういう感じなんだね」という声が多い印象です。いまどき、国家資格をはじめとする資格試験ではネット申込みが当たり前になっています。税理士試験もようやくその流れに乗ったわけですが、中身を見ると旧来の手続きがそのまま残っている部分があり、完全なデジタル化とは言いがたい状態です。

それでも変わってきた部分はある

一方で、少しずつ改善が進んでいる面もあります。以前は試験結果がほぼブラックボックスでしたが、近年は点数開示の制度が設けられ、合格者の受験番号もインターネットで公表されるようになりました。受験生にとっての透明性は、一昔前と比べればだいぶ高まっています。

個人的には、「税理士試験はこういうもの」というイメージが少しずつでも変わっていくといいなと思っています。WEB申込みの導入はその第一歩ではあるので、次の改善に期待したいところです。

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