令和9年(2027年)1月から、18歳未満を対象にした「こどもNISA」が始まります。制度の中身は、以前の記事で一般NISAと比べながら整理しました。

こどもNISAが話題になると、「子どもにお金を残しすぎると、子どもが弱くなる」という意見を目にすることがあります。親としてこれをどう受け止めるかを考えてみました。
こどもNISAは18歳で子どもの手に渡る
こどもNISAは、0歳から17歳までの子ども名義で、年間60万円、合計600万円まで非課税で積み立てられる制度です。買えるのは、つみたて投資枠と同じ一定の投資信託に限られます。
途中の払い出しには制限があります。原則として、中学校に入る年以降に、本人の教育費や生活費に使う場合などに限られます。そして18歳になると、大人のNISAへ自動的に移ります。
つまり、順調に積み上がれば、子どもは18歳の時点で自分名義のまとまった資産を持つことになります。「弱くなる」という話が気になり始めるのは、この点です。
「残しすぎると弱くなる」という考え方
この考え方自体は、新しいものではありません。よく引かれるのが、西郷隆盛の「児孫のために美田を買わず」という言葉です。子孫のために財産を残すと、かえって子孫のためにならないという趣旨です。
若いうちから手元にお金があると、働く理由や工夫する理由が薄れる。お金に困った経験がないまま大人になると、いざというときに踏ん張れない。自分で稼ぎ、自分で失敗して、はじめて身につく感覚がある。
それでも、たぶん積み立てる
それでも、私はおそらくこどもNISAを使います。
「子どものためのお金だから」という理由は、結局のところ、残したい気持ちを正当化しているだけではないか。そう言われると、完全には否定できません。残せるものなら残したい、というのが親としての本音だと感じています。
弱くなるかは、金額より渡し方
では、どうすれば「弱くなる」を避けられるのか。私は、金額よりも渡し方のほうが大きいのではないかと考えています。
同じ金額でも、18歳で何も知らされずに受け取るのと、途中から中身を一緒に見てきたのとでは、受け止め方が違うはずです。後者であれば、お金は突然降ってきたものではなく、時間をかけて育ったものとして映る気がします。
こどもNISAでは、12歳以降の払い出しに子ども本人の同意が必要とされています。中学生の子と「このお金をどう使うか」を話す場面が、制度の側に組み込まれているとも言えます。
残すかどうかより、残したお金について子どもと話す機会をつくれるかどうか。こどもNISAを使うなら、そこを一緒に考えておきたいと思っています。
