アメリカの中間選挙は「税金を住民が決める日」でもあった

消費税

11月3日、アメリカで中間選挙が行われました。大統領の任期4年のちょうど中間にあたるため、こう呼ばれます。

大統領そのものは選びません。選ぶのは連邦議会の議員です。下院は435議席すべて、上院は100議席のうち約3分の1が改選されます。あわせて多くの州で知事選も行われます。

一般に、中間選挙は現職大統領への評価が表れやすいとされます。この記事を書いている時点でも集計は続いており、報道の中心は議会の勢力がどう変わるかです。

同じ投票用紙に「税金の質問」が並ぶ

日本のニュースでは、議会の勢力図ばかりが取り上げられます。ただ、実際の投票用紙にはもう一つ大きな要素があります。州や市が住民に直接賛否を問う「住民投票」の項目です。

その中には、税金に関するものが少なくありません。全米州議会議員連盟(NCSL)のまとめでは、今回、州単位で有権者に問われる税の提案は30件ありました。うち15件が固定資産税、11件が所得税に関するものです。

市や郡の単位になると、数はさらに増えます。たとえばカリフォルニア州バークレー市では、財政赤字への対応として、売上税を0.5%上げるかどうかが投票にかけられました。

税率を上げてよいかを、住民が賛成か反対かで答えるわけです。

アメリカには国の消費税がない

この背景には、アメリカ独特の税の仕組みがあります。アメリカには、日本の消費税にあたる国の税がありません。

買い物のときにかかる税は「売上税」と呼ばれ、州や郡、市が課しています。税率は地域ごとに異なります。州として売上税を課していない州もあります。

そのため、税率を上げ下げする判断も、多くの場合は州や市の単位で行われます。そして地域によっては、それを住民投票で決める仕組みになっています。

店頭の表示も違います。アメリカでは一般に、値札は税抜きで、レジで売上税が上乗せされます。日本では2021年4月から、消費者向けの価格は税込みで表示することが義務になっています。

日本の消費税と比べると

日本の消費税は、全国どこでも同じ税率です。標準税率10%のうち、7.8%が国の消費税、2.2%が地方消費税です。税率を変えるには、国会で法律を改正する必要があります。

地方税には、条例で標準より高い税率を定める「超過課税」という仕組みもあります。ただ、これを決めるのは地方議会です。税率を住民投票で直接決める場面は、日本では一般に見られません。

課税のかたちも違います。アメリカの売上税は、多くの場合、最後に消費者へ売る段階でまとめて一度課されます。日本の消費税は、取引の各段階で課され、事業者は仕入れのときに払った分を差し引いて納めます。日本の事業者の帳簿や請求書の管理が細かくなるのは、この仕組みのためです。

身近な使い道のために、住民が自ら負担を選べるのは筋が通っています。一方で、地域ごとに税率がばらばらだと、買う場所によって負担が変わり、事業者の手間も増えます。

税率を「誰が、どの単位で決めるのか」。この視点を持つと、中間選挙のニュースも少し違って見えてくる気がします。

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