出産手当金が振り込まれました―育児休業給付金の月額上限について思うこと

出産育児

先日、出産手当金が振り込まれました。子どもが生まれたのが3月中旬で、振込は6月中旬でした。出産から3か月ほどです。

以前、このような記事を書きました。

産休・育休の手当と社会保険料の免除についての整理
今回は、産休から育休にかけての手当や、社会保険料の免除について改めて整理してみました。制度はある程度知っているつもりでしたが、細かいルールや振込タイミング、免除の条件を噛み砕いて確認してみると、想像以上に家計に大きな影響がありました。今回の…

今回は、そこで試算した金額が実際にどう入ってきたか、という続きにあたります。

振込までの期間は、会社への申請のタイミングや、手続きを担当する社会保険労務士の方が動くタイミングによって変わります。今回はとくに遅れた感覚はなく、一般的なスケジュールだったように思います。出産から振込まで2〜3か月という目安は、おおむね当てはまりました。

自動計算サイトの精度が高かった

金額の確認に使ったのが、産休・育休でもらえるお金と期間を自動で計算してくれる以下のサイトです。

【2026年最新版】産前産後休業・育児休業給付金|期間・金額計算ツール
ご出産予定の方のために、出産予定日などの情報をご入力いただくと「育児休業・産前産後休業の期間」だけではなく「給付金・手当の概算金額」なども自動計算するページです。

事前に入力した試算と、実際の振込額が、ほぼ一致しました。我が家の場合は、ずれと呼べるほどの差はありませんでした。

産休・育休の手当は、計算式そのものは公開されていますが、対象日数の数え方などで間違えやすい部分があります。自分で電卓を叩くより、こうしたツールで当たりをつけておくほうが確実です。出産を控えている家庭や、相談を受けるFPの方にとっても、使いやすいサイトだと思います。

育児休業給付金には月額上限がある

ここからは、出産手当金ではなく育児休業給付金の話です。

出産手当金には、給与水準に応じた事実上の天井はあるものの、「1か月あたり何円まで」という形のはっきりした上限はありません。一方、育児休業給付金には明確な月額上限があります。

令和7年8月1日以後の上限は、育休開始から180日目までが月323,811円、181日目以降が月241,650円です。給付率は、180日目までが休業前賃金の67%、それ以降が50%です。

計算のもとになるのは、標準報酬月額ではなく、育休に入る前6か月の賃金です。ざっくり言うと、賃金月額がおおむね48万円を超えると、67%の期間で上限に当たり始めます。我が家も、この上限に引っかかってしまいます。

上限額は毎年8月に改定される

この上限額は固定ではありません。毎年8月1日に見直されます。直近の推移は次のとおりです。

適用時期67%期間
(180日まで)
50%期間
(181日目以降)
基礎となる
賃金月額の上限
令和2年8月〜305,721円228,150円456,300円
令和3年8月〜301,902円225,300円450,600円
令和4年8月〜305,319円227,850円455,700円
令和5年8月〜310,143円231,450円462,900円
令和6年8月〜315,369円235,350円470,700円
令和7年8月〜323,811円241,650円483,300円

増え方を見ると、令和4年→5年が約1.6%、令和5年→6年が約1.7%、令和6年→7年が約2.7%です。直近の改定がやや大きめでした。賃上げの流れを反映していると考えられます。

令和8年8月以降はどうなりそうか

ここからは予想です。

直近の賃上げ傾向が続けば、令和8年8月1日以降も上限額は上がる可能性が高いと考えています。増加率を控えめ・中間・強めの3通りで置くと、目安はおおむね次のようになります。

想定67%上限50%上限
控えめ(+1.5%程度)約328,600円約245,250円
中間(+2.0%程度)約330,300円約246,500円
強め(+2.7%程度)約332,400円約248,100円

あくまで過去の増加率を当てはめただけの試算です。私見では、67%上限は33万円前後、強めに上がっても33.2万円台くらいを見ておくのが無難だと思います。正式な金額ではないので、参考程度に受け取ってください。

正式な金額はいつ・どこで分かるか

例年、上限額の改定は7月下旬ごろに公表されます。令和7年分も、厚生労働省のリーフレットに「令和7年8月1日から支給限度額が変更」という形で掲載されました。

確認先としては、厚生労働省のサイトで「支給限度額 育児休業給付」などと検索するのが基本です。東京労働局など都道府県の労働局サイトに同じリーフレットが載ることもあります。ハローワークの「雇用保険事務手続きの手引き」や改定リーフレットでも確認できます。

実務上は、令和8年7月下旬に出る厚労省のリーフレットを見るのが、一番早くて確実だと思います。

上限を撤廃してほしいと思ってしまう

ここからは個人的な感覚です。

出産・育児への支援が手厚くなっていること自体は、当事者としてとてもありがたいです。そのうえで、育児休業給付金の月額上限については、撤廃してほしいと思ってしまいます。

上限の基準となる賃金月額48万円程度は、いまの共働き世帯では特別な水準ではありません。配偶者の年収を考えても、ここを普通に超える家庭は多いはずです。本来の給付率どおりに計算した額と、上限で頭打ちになった額の差が、そのまま手元から減ることになります。

もちろん、育児休業給付金は雇用保険という相互扶助の仕組みから出るお金です。上限を撤廃すれば、賃金の高い人ほど給付が膨らみます。所得の再分配という趣旨からはずれていくということは理解しています。

それでも、税や社会保険料を多く負担している共働き世帯ほど、この上限で削られる額が大きくなります。支援を一律に増やす一方で、育休給付の上限でこの層を頭打ちにしている。制度全体で見ると、少しちぐはぐな面があるようにも感じます。

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