納期の特例の届出をしている事業者にとって、7月10日は1月~6月分の源泉所得税をまとめて納付する期限です。
この時期は源泉所得税の金額に意識が向きがちですが、そもそも毎月の給与計算が正しくできているかを振り返る機会でもあります。社会保険料の控除額も確認しておきたいです。
令和8年度は控除額が変わる要因が重なっている
令和8年度は、社会保険料の控除額に影響する変更が複数あります。
1つ目は、健康保険料率の改定です。協会けんぽの場合、毎年3月分から都道府県ごとの新料率が適用されます。翌月徴収の会社であれば、4月支給の給与から控除額が変わります。健康保険組合に加入している場合は組合ごとに料率が異なるため、組合からの通知を確認してください。
2つ目は、子ども・子育て支援金です。少子化対策の財源として新設された制度で、令和8年4月分から医療保険料とあわせて徴収が始まりました。被用者保険の場合、支援金率は一律0.23%で労使折半です。翌月徴収であれば、5月支給の給与から天引きが開始されています。
給与計算ソフトを使っていれば自動で反映されるはずですが、料率テーブルの更新漏れや手動設定が必要なケースもあります。
半年間ずっと同額なら確認を
簡易的なチェック方法として、令和8年1月から6月の給与明細を並べて確認することが良いように思います。
標準報酬月額に変更がなくても、料率が変わっていれば控除額は変わります。今年度は料率改定と支援金の新設が重なっています。半年間ずっと社会保険料が同額であれば、給与計算ソフトの設定を一度確認したほうがよいかもしれません。
なお、7月は算定基礎届の提出時期でもあります。4~6月の報酬をもとに標準報酬月額を届け出るタイミングですので、給与計算全体を点検するにはちょうどよい時期です。
確認は社会保険料が先、源泉所得税が後
給与計算の正確性を確認するときは、順番が大切だと思っています。
まず社会保険料の控除額を確認します。標準報酬月額の設定と適用されている料率が正しいか、保険料額表と照合するのが確実です。協会けんぽであれば、全国健康保険協会のウェブサイトで都道府県ごとの保険料額表が公開されています。
社会保険料が正しければ、次にその控除後の金額をもとに源泉所得税を確認します。源泉所得税は総支給額から社会保険料を差し引いた金額で税額表を引いて算出します。社会保険料が間違っていれば、源泉所得税も連動してずれます。
個人的に、この「上流から順に確認する」という発想は、開業して給与計算結果を確認する立場になってから、より強く意識するようになりました。
