清算結了の登記について──税理士は登記申請書を作成できません

法人税

会社をたたむときの一連の手続きのうち、官報公告について以前記事を書きました。

会社をたたむときの官報公告――省略しても登記は通ってしまうものの
会社を解散すると、清算の手続きに入ります。資産を換価し、債務を弁済し、残ったものを株主に分配する。大まかな流れはこのような感じです。見落とされやすいのは、その入口に置かれた手続きです。解散したら官報に載せる会社法は、清算に入った会社に対して…

一連の手続きの中で、最後に来るのが清算結了の登記です。

起算点は決算報告を承認した日

清算事務が終わったら、清算人が決算報告を作ります。これを株主総会に提出して承認を受けます(会社法第507条)。清算結了の登記は、この承認の日から2週間以内に申請します(会社法第929条第1号)。

申請書には、承認の日と、法務局に行く日の両方を書きます。承認の日は「登記すべき事項」に、法務局に行く日は「申請年月日」に入ります。

もう一点、清算人の就任から2か月を経ていないと登記は受理されません。債権者に申出を求める公告の期間を確保するためです。前に書いたとおり、官報公告の二か月はそのままスケジューリングに影響します。

登録免許税は1件2,000円です。解散と清算人選任の登記が合わせて3万9,000円ですので、最後は拍子抜けするほど安く終わります。

税理士は申請書を作れません

司法書士法第73条第1項は、司法書士でない者が、他人の依頼を受けて登記の手続を代理したり、法務局に提出する書類を作成したりすることを禁じています。違反には罰則もあります(同法78条1項)。

税理士も、この場面では「司法書士でない者」です。登記申請書はもちろん、添付する議事録についても、依頼を受けて作れば同じ問題が生じます。報酬の有無は関係ありません。

一方で、社長ご自身が作る分には何の問題もありません。本人申請は当然に認められています。ですから税理士にできるのは、様式の入手先を伝えることと、書き方を案内するところまでになります。

社長ご自身が法務局に行く場合に持っていくもの

窓口へ持参するのは、おおむね次のものです。

登記申請書。収入印紙2,000円。株主総会議事録(決算報告書を添付したもの)。株主リスト。そして押印に使った印鑑です。申請書が複数ページになるときは、つづり目に契印が必要になるためです。

押印するのは、代表清算人が法務局に届け出た印鑑です。解散の登記のときに印鑑届を出しているはずですので、通常は会社で使ってきた実印と同じものになりますが、届出をしている印鑑かどうかは一度確認しておいたほうが安全です。

収入印紙は申請書に直接貼らず、白紙(収入印紙貼付台紙)に貼って一緒に綴じます。この扱いは記載例に書かれていますが、窓口でも教えてもらえます。

もう一つ、税理士側で先に調べて渡しておくとよいのが会社法人等番号です。申請書の最初の項目にあり、12桁。税務でよく使う法人番号(13桁)とは別物です。社長が把握していないことが多く、ここで止まりがちなので、登記事項証明書などから確認して伝えておくと進みが早くなります。

その日のうちに出せるのか

書類が揃っていれば、窓口でその日に受け付けてもらえます。申請自体は数分で終わります。

ただし、受け付けられることと、登記が完了することは別です。完了までは一般に一週間前後かかり、混み具合によって変わります。補正の連絡が来れば、もう一度足を運ぶことになります。

事前に登記相談の窓口で見てもらうのが確実ですが、多くの法務局で予約制です。当日ふらりと行って相談できるとは限りませんので、電話で確認してから日程を組むことをお勧めしています。

タイトルとURLをコピーしました